ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

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「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」〜楽しい時間を映画館で!今オススメしたい作品〜

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公式サイト:https://www.storyofmylife.jp/


監督・脚本:グレタ・ガーウィグ
原作:ルイザ・メイ・オルコット
製作:エイミー・パスカル、デニース・ディ・ノビ、ロビン・スウィコード
音楽:アレクサンドル・デスプラ
撮影:ヨリック・ル・ソー
美術:ジェス・ゴンコール
衣装:ジャクリーン・デュラン
製作総指揮:アダム・メリムズ、エブリン・オニール、レイチェル・オコナー、アーノン・ミルチャン
2019年製作/135分/アメリカ
原題:Little Women

※ネタバレを含みます


【物 語】
19世紀後半のアメリカを舞台にマーチ家の四人姉妹を描いた、オルコットによる自伝的小説「若草物語」の映画化


も〜、めちゃくちゃ楽しかった!

久しぶりに映画見に行こうかな、と思ってる皆さん
これはオススメできます。

特に女性は、間違いなく楽しめると思います。
女性が輝く映画ですから、男は添え物程度です。
性差別と言われるかもですが、そう感じるから仕方ないのです。

いや、ほんと135分なんてなんのその、全く長くありません。
それどころか、もっと彼女達を見ていたかった。


ジョーが主役である意味を、今ごろ知った。

冒頭、NYの出版社にジョーが原稿を持ち込むシーンから始まるので、少々面食らいました。

過去作品の印象で、子供時代の一家を描いた絵面をなんとなく予想していたので。

実は「若草物語」は文部省推薦作品みたいな印象があって、この映画にさほど期待してなかったのです。


がっ!

あのグレタ・ガーウィグ、そう「レディ・バード」の監督・脚本家(「フランシス・ハ」の脚本も)が撮ってたとは知らんかった。
シアーシャが出てるから見に行ったんだけど、ほんと見といて良かったわー


で、いきなりの大人のヌーヨークシティのジョーの登場で面食らったわけです。


子供の頃は、ジョーのキャラクターにさほど惹かれなかったけど
歳を重ねるとやっぱり彼女に共感します。


原作者オルコットについて調べると、進んだ考え方の家庭で育ち、自身も奴隷解放運動、婦人参政権運動に参加していたんですね。


なるほど、ジョーはオルコット自身を投影した人物だったのか!
↑ おそらく常識かも、私は映画きっかけで今回やっと知りました。

グレタ・ガーウィグ自身も、そこに感じるモノがあっての映画化だったんでしょうね。


物語は、姉妹が大人になった現在と子供時代の過去を行き来します。
時間軸が交錯するので、大まかなストーリーを知らない人には若干ややこしかも。
でもよーく観察すればわかるよ、うん、たぶん(←無責任)


ローラ・ダーンやメリル・ストリープも、もちろん良かったけれどやっぱり四姉妹に目が釘付けなのです。

ローリーがこの一家に強く惹かれる気持ちがすごくわかる。
五番目の姉妹になりたいもんね、正直。


エマ・ワトソンが、見栄っ張りで古風な考えの持ち主のメグっていうのが、しっくりこなかったなぁ。
彼女は、才女!っていうイメージが私の中で定着しすぎなのかもしれない。


短気でカッとなりやすいジョーが好き。
「耳が痛い忠告をしてくれる友達が、真実の友だよ!」と
あのシーンでは、ジョーに言いたい気持ちになったけど。
「つぐない」から早12年、シアーシャは今一番気になる俳優の一人になってる。


フローレンス・ピューのちょっと小太り&若いのにどっしりとしたおばちゃん感(悪口じゃないよ!)が、薄っぺらくないエイミー像にマッチしてて、すごく良かった。


そして、ベスが亡くなった時は私も寂しかった。
アイミスユー、ベス!


衣装、セット、景観、登場する役者達も含めて絵の美しさに魅了され、もちろん物語にもどっぷり入り込みました。

話の流れそのものというよりは、ディティールの一つ一つが沁みる〜という感じです。

特に、喪失感でやりきれないジョーがローリーを受け入れようかと思い揺れる様子にグッときた。
わかるけど、それは「愛」じゃないのだよ、ジョー(涙)


映画のラスト、編集者との会話後の映像で、これはフィクションなのかそれとも現実のジョーのその後なのか、はっきりさせないところが、個人的には秀逸だと思った。

綺麗すぎる展開や映像が、小説の中の世界かもしれないということで、空々しさから解放される、とでも言ったらいいのかな。


邦題が超絶ダサイ、それがこの映画の欠点かもしれませんね。


〜 〜 〜 〜


実は今日、1949年製作版の「若草物語」を何十年かぶりに
Amazonプライム・ビデオで見ました。。。。


グレタ・ガーウィグ版の素晴らしさを再認識しました。
今の時代に「若草物語」を撮ってくれた事に感謝!


TOHOシネマズ梅田 にて鑑賞

今の映画館、ソーシャルディスタンス半端なくとってるので
めちゃくちゃ快適です。