ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

1月29日からの2週間、公開(大阪市内)の映画で気になるのは

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「私たちの青春、台湾」(シネ・ヌーヴォにて鑑賞)


台湾の社会運動「ひまわり学生運動」(2014年)に関わった学生二人の姿を描いています。
タイトルどおり、政治ではなく若者達の一時期(青春)に焦点を合わせたドキュメンタリーですね。

とはいえ、そう言い切れるほど単純ではなく、複雑な気分にさせられる映画です。

最初は、国を変えたいと行動を起こす若者たちに心動かされます。
特に中国人留学生ボーイーが、本国にいる家族と対立してまで台湾の社会運動に関わっていく姿に熱い何かを感じたのですが。。。

香港で後の「雨傘運動」のメンバー達(アグネスもいた)と交流する姿には、ガンバレ!と応援したくなる反面、
香港の現状を考えると残念で仕方ありません。

社会運動の光と影というか、やはり一筋縄ではいかない難しさも感じます。
ナショナリズムに傾いていく、そこにボーイーは疎外感を感じてしまいます。

そして後半、ちょっとビックリな展開が待ち受けてました。
大きなネタバレなので、詳しくは言えませんが。
映画を見る人の中には、過去の事とはいえこの人物を受け入れ難い(見ていて辛い)人もいるかもしれません。
特に、自身がそういった事で心の傷を負った経験がある人にとっては、この映画自体を生理的に否定しかねない事実が発覚します。

それ以上にビックリしたのは、監督が自分の思い込みをここまで露呈してしまうことでした。
これが計算だったら、逆にすごいけど。

監督の独りよがりな部分が、逆にドキュメンタリーとしてのリアリティを感じさせたのが皮肉でもあり、偶然の面白さを生み出していたと思います。

それでも、台湾の学生による社会運動は、大きな意味がありましたよね。
非暴力で組織力によって革命を起こす!
これって、日本でも十分に可能だと思うんだけど。。。。
あー、もどかしい

 

遅くなりましたが
今週末からと、来週末から
大阪市内で公開される映画の中から
気になる作品をピックアップします

 

 

【1月29日・30日〜】


「花束みたいな恋をした」
1/29(金)〜 テアトル梅田、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、あべのアポロシネマ にて上映

主演二人が好きだし、オダジョーや薫ちゃんまで出てる!
ドラマ「カルテット」がめちゃくちゃ好きだったから、
脚本・坂元裕二、監督・土井裕泰のコンビという事で、これは見たいなぁ

 

「天国にちがいない」
“It Must Be Heaven”
1/29(金)〜 シネ・リーブル梅田 にて上映

新作の企画を売り込むため、故郷ナザレからパリ、ニューヨークへと旅に出たエリア・スレイマン監督
ひとりの男の極私的な旅路を通し「パレスチナ問題」をユーモラスに演出

 

「羊飼いと風船」
“BALLOON”
1/29(金)〜 シネ・リーブル梅田 にて上映

チベットの大草原
時代に翻弄されながらもひたむきに生きる牧畜民の家族を描いた人間ドラマ

 

他にも


「アート・オン・スクリーン」
1/29(金)〜 大阪ステーションシティシネマにて上映

公式サイト:https://artonscreen.jp/

以下の3作品同時公開
「フリーダ・カーロに魅せられて」
「ピカソがピカソになるまで」
「天才画家ダ・ヴィンチのすべて特別興行」

 

連続講座「現代アートハウス入門 ネオクラシックをめぐる七夜」
1/30(土)〜 第七藝術劇場 にて上映

公式サイト:https://arthouse-guide.jp/

第1夜 : ミツバチのささやき
第2夜 : 動くな、死ね、甦れ!
第3夜 : トラス・オス・モンテス
第4夜 : 緑の光線
第5夜 : 山の焚火
第6夜 : 阿賀に生きる
第7夜 : チチカット・フォーリーズ
連日16:50より

 


【2月5日・6日〜】


「わたしの叔父さん」
“Onkel”
2/5(金)〜 テアトル梅田 にて上映

デンマークの農村を舞台に、叔父と暮らす姪は人生の転機を迎える。
静かで温かみのある雰囲気に、大きく惹かれる。

 

「エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット」
2/5(金)〜 シネ・リーブル梅田 にて上映

タイトル通り、デザイナー菅谷晋一さんの制作過程に密着したドキュメンタリー映画です。

 

年が明けてから見た映画は二本だけ。
本数が少ないと、じっくり反芻できるといういい面もある。
といいつつ、レビューあげてませんが。。。

とにかく、みなさんお体に気をつけて!