ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

バーン・アフター・リーディング

監督・脚本・製作:ジョエル・コーエンイーサン・コーエン
(2008年 アメリカ)

【ストーリー】
CIA諜報員のオズボーン(ジョン・マルコヴィッチ)の妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)は、
財務省連邦保安官ハリー(ジョージ・クルーニー)と不倫中。
一方、勤務先のフィットネスセンターでCD-ROMを拾ったチャド(ブラッド・ピット)と
リンダ(フランシス・マクドーマンド)は…。

CIAをコケにしたブラックコメディ(=^_^=)

衛星画像から始まるスパイ映画さながらのオープニング。
でも、オズボーンのCIAでの上司があの、ミスターハマー!
1980年代のおバカ刑事ドラマ「俺がハマーだ! 」のデヴィッド・ラッシュが
その名も同じHAMMERとして出てるところからして、大いにふざけてるんですよねー。

そして、壊れキャラのマルコヴィッチもちょっと嬉しかったりする。
上からのカメラアングルで長椅子のオズボーンがアップにされるシーン、
完全に顔がいっちゃってました。( ̄▽ ̄;A
(一瞬、暗殺されたのか! と思った…)

コーエン作品らしく、他の登場人物も各々キャラがたっているんですが、
今回は特に豪華絢爛な俳優陣というだけで目をひきましたね。

なんといっても、B.ピット! オーバーアクトとも思えるギリギリのラインやけど、
ふざけっぷりが楽しい。コックスの車に乗り込み交渉するシーンの表情は完全に
おかしいやん! でもああやって、目を細めるとますますベニチオ・デル・トロ
似てるなぁと思うのは私だけ?
40代半ば(かな?)の彼が20代の筋肉バカに見えるのも楽しい。

ジョージ・クルーニーは一見、一番まともっぽいけど実は。。。というハリー役。
ワイルドな容姿とは裏腹な、気の小さい役が似合いますよね。
オー・ブラザー!」(2000) は結構好きな作品です。

そしてのりにのってる感があるのが、ティルダ・スウィントン
「ベンジャミン・バトン」でも印象的な彼女でしたが、
彼女のこれみよがしに冷たい(なんといてってもナルニアの魔女ですから)
雰囲気がイイ!ですね。子供には絶対好かれないよなぁというあのシーンも笑えました。

コーエン作品初期からお馴染みのメンバーはもうフランシス・マクドーマンドだけですが、
彼女今回もある意味おいしい所をかっさらってもっていく役でした。
ネタバレなのでそれは映画を見てのお楽しみなんですが。

それにしても、あいかわらずあっけなく人が殺され、残酷なシーンも
ちょっと出てきますね。そして、不条理。
同じクライムコメディでもジョン・クローリー監督「ダブリン上等!」なんかと違って、
鑑賞後のスカッと感なんかありません。不条理やなぁという印象が残る。そこらへんが
私は割と好きなんですが、受け入れられない人も結構多いかも。

エンディングクレジットで流れる、ク○(汚い言葉で失礼!)CIAの曲が面白かったし、
これが一番言いたかった事なんでは? とか思ってしまいました。
大統領でさえコントロールできないガンみたいな組織を抱えてるアメリカ。
でも、それをネタにこんな作品を作るセンスは好きやなぁ。

TOHO梅田にて鑑賞。