ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「プロミスト・ランド」疑いを持つ事が大事

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公式サイト:http://www.promised-land.jp/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・製作総指揮:ガス・ヴァン・サント
脚本・製作:ジョン・クラシンスキー、マット・デイモン
製作:クリス・ムーア
(2012 アメリカ制作 106分)
原題:PROMISED LAND

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
大手エネルギー会社の幹部候補であるスティーヴ(マット・デイモン)は、
マッキンリーという農場以外はなにもない田舎町に、仕事のパートナーの
スー(フランシス・マクドーマンド)とともにやってくる。
 (公式サイトより転記させていただきました)

田舎町出身の主人公が、同じように不況にあえぐ貧しい
農業の町で、本当に大切な物は何か目覚める物語。
↑ これだけ読むと、なんだか見る気無くしそうですが(笑)
悪くはないと思うし、それなりに面白いと思います。
が、なんとなく釈然としなかったという感じです。

大手エネルギー会社に勤めている主人公スティーヴは、
シェールガスの採掘権を買収する仕事に携わっています。
それなりに野心もあって、出世したいと考えているタイプ。

採掘権に関する交渉をまかされている割に、
彼はシェールガスの採掘が及ぼす影響について
知識がないのか、それとも見て見ぬふりをしてきたのか?
とにかく、会社の主張を鵜呑みにしてきたという設定が
しっくりこなかったんですよね。それまでも散々
環境問題については、質問されてるはずなのに。

物事を深く考えないタイプ、といえばそれまでですが、
自信を持って交渉する為には、それなりの下調べや知識が
必要だと思うのに、とにかくお金をちらつかせて解決
しようという考え方が極端すぎてついていけないのです。

スティーヴが良い人間で誠実であるから、余計に
そこのところに矛盾を感じてしまうのですよね。

ところで、高圧の水(化学薬品を含む)が大量に使用する
シェールガスの採掘には地下水への汚染、水不足、
人工地震などが懸念されているそうですが、
その問題については、中立の立場を保とうとする
この映画の姿勢がひしひしと感じられます。
そこがまた、ぼやかしてる感がすごくてモヤモヤ〜
するのも事実です(笑)

マット・デイモンがあまりにも予想どおりの良い人で、
意外性がなさすぎたのも、平凡に感じた一因かもしれません。
フランシス・マクドーマンドが出演してくれてて良かった。
彼女が絡むとがぜん面白くなったし、
町に乗り込む際にまず服装から入り込むエピソードとか、
好きな部分も多い作品だったので、
なんか惜しいな〜という印象です。

大阪ステーションシティシネマ にて鑑賞。