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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ウィークエンドはパリで」 〜ビターで深い味わい〜

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公式サイト:http://www.paris-weekend.com/
※音声が出ますのでご注意ください

監督: ロジャー・ミッシェル
脚本: ハニフ・クレイシ
製作: ケヴィン・ローダー
(2013年 イギリス制作 93分)
原題:LE WEEK-END

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
ある週末、30年目の結婚記念日を祝うためかつての
新婚旅行先パリへとやって来た、イギリス人夫婦ー
心配性な夫ニック(ジム・ブロードベント)と、
好奇心旺盛な妻メグ(リンゼイ・ダンカン)
(公式サイトより転記させていただきました)

「これはロマンチック路線ではないなぁ」と
トレーラーを見て思ったけど、まさに予想どおり。
“パリ”という言葉を入れて集客しようという魂胆
ミエミエの邦題にはちょっとそぐわないかも(笑)

この夫婦、何かと口論しているんですが、
その辛辣な言い回しや批判が、
英国的ユーモアのようでもあり、
ただの口喧嘩とは言い切れないのです。

自分でも認めているように、
かなりマゾヒスティックな夫は、
妻から辛辣な言葉の数々を投げかけられても、
たいして落ち込んでいない様に見えます。

この二人を見ていて「ビフォア・ミッドナイト」
思い出したのは、リンゼイ・ダンカンの外見が
ちょっとジュリー・デルピーに似ているからかな。
同じように会話が中心のドラマだけど、
その内容は今作品の方が毒を含んでいる感じ。

一見、気まぐれな妻メグに振り回されているように見える
夫ニックですが、これまでずっとそうだった訳では
ないという事が段々わかってきます。
ニックは、人生最低の落ち込み期というか
精神的にかなり弱っていて、妻に甘えたい気持ちが
今まさに最高潮!という感じなのです。
妻をこの旅行に誘った動機は、そのあたりでしょう。
しかしメグにしてみれば、夫にそんな態度に出られても。。。

というのも、彼女はこれまでの生活で自分の中に溜め込んだ
澱のようなものが、かなりあるようなのです。
妻メグの態度や言葉の端々に、夫に対する愛情が
あまり感じられなかったので、途中までは
こんな結婚生活って幸せじゃない、楽しくないのでは?と
勘違いしていたのですが。

そこはやっぱり、それで終わってしまうわけではなくて、
涙腺が少しゆるむ、ちょっとしたエピソードがありました。

過去の不満の蓄積や恨みがましい感情などなど。。。
それらと、夫を求める気持ちとのせめぎ合いというか、
素直に真っすぐ愛情を示せない、メグの屈折した部分が
わかるような気がするんですよね。
主役の二人が上手いから、リアルだったし。

そう、ニックのように口で「愛してる」ばっかり
言うんじゃなく、愛情は日頃の態度で示さないと
だめなんですよ。
と、ついついメグ寄りの視点で映画を見てしまいます。

見ている間にはわからなかった事にあとから気がついたり、
もう一度見たらより面白いかもしれないと思える作品。
うわべのストーリー展開だけで見せる映画と違って、
こういうジワジワと何かがわかってくる映画は好きです。
何かこう、後をひく感じなのです。

この映画に対する不満は、オイスターを食べた
レストランでのエピソード。請求書を見た
メグの表情から何をする気なのか、すぐにピン!と
きましたが、あれは品がなさすぎる(苦笑)

気に入ってる所は、モーガンのキャラクター。
のべつ幕なしに大きい声でしゃべる、喋る。
ジェフ・ゴールドブラムが、どこか薄っぺらさを
感じさせる面倒な親父に見えましたから、上手い。

オリー・アレクサンデルも、すごく存在感があって。
真っすぐな瞳が眩しかったです★
でも、なんかヘレナ・ボナム=カーターに
見えて仕方なかった(笑)

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最後は、ゴダール映画に登場するマジソンダンスで
盛り上がって、なかなか楽しかったです。
アンナ・カリーナに憧れた世代かな?
いや、私も憧れましたけど(笑)

シネ・リーブル梅田にて鑑賞

パリと言えば、映画「ぼくを探しに」に出てきた
“シューケット”を、まだ見つける事ができません。
最近、代用品として食べ始めた“シューラスク”に
はまっています。軽い口当たりでついつい
食べ過ぎてしまいます〜

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