ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「フィフス・エステート」タコ踊り?!

フィフス・エステート:世界から狙われた男 DVD

「フィフス・エステート:世界から狙われた男」

↑ レンタルしようと思ってたけど、991円だったので買いました。
今年の2月に発売された日本版DVD、もうこんなに安いのね

監督:ビル・コンドン
脚本:ジョシュ・シンガー
製作:スティーヴ・ゴリン、マイケル・シュガー
製作総指揮:リチャード・シャーキー、ポール・グリーン、ジェフ・スコール、ジョナサン・キング
撮影監督:トビアス・シュリッスラー(ASC)
プロダクション・デザイン:マーク・ティルデスリー
編集:ヴァージニア・カッツ(A.C.E.)
音楽:カーター・バーウェル
(2013年 アメリカ/インド制作 128分)
原題:The Fifth Estate

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
内部告発サイト“ウィキリークス”
その活動に共感したダニエル・ベルク(ダニエル・ブリュール)は、創設者ジュリアン・アサンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)のカリスマ性に惹かれていく。

128分が長く感じれる、盛り上がりにかけた映画
ベネディクト・カンバーバッチの怪演は見ものだけど

元ネタはこの2冊の本らしい
 ↓ ガーディアン(イギリスの大手新聞)側から書いたこちらは未読

ウィキリークス WikiLeaks  アサンジの戦争

ウィキリークス WikiLeaks アサンジの戦争

  • 作者: 『ガーディアン』特命取材チーム,デヴィッド・リー,ルーク・ハーディング,月沢李歌子,島田楓子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/02/15
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 409回
  • この商品を含むブログ (28件) を見る
 

 ↓ ダニエル・ベルクの著書を読んだ印象は「ウィキ・リークスの本というよりも、彼のアサンジに対する個人的な感情が綴られている」という感じでした。

ウィキリークスの内幕

ウィキリークスの内幕

  • 作者: ダニエル・ドムシャイト?ベルグ,赤根洋子,森内薫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/03/11
  • メディア: 単行本
  • 購入: 3人 クリック: 124回
  • この商品を含むブログ (15件) を見る
 

実在の人物を扱っている点では「イミテーション・ゲーム」と同じですが、その内容はとても対照的。
もっとも、こちらはまだ生きている人物で、周辺の出来事を一方の側から描いた本を基に映画化したのだから、なかなか難しいとは思います。

ジュリアン・アサンジという人の表面的な部分しか見えてこないせいなのか、心が動かされないまま見終わってしまった。
彼の生い立ちようなものから、その人間性を推し量る流れを作ろうとしている演出の意図は見えたんですが。
結果、踏み込めてない感じで浅いままでした。

ベネディクトがとらえたアサンジの特徴なのか、チマチマした動きが気持ち悪い(笑)
特にあのタコのような踊り! あのクネクネには百年の恋も醒めるゾッ
籠ったような声とモゴモゴとした喋り方といい、カメレオン俳優としての実力を見せてもらいました。

他の出演俳優も好きな人ばかりで、
ダニエル・ブリュール&モーリッツ・ブライプトロイ
デヴィッド・シューリス&ピーター・カパルディ
ローラ・リニー&デヴィッド・シューリス
と、個人的にウハウハしてしまうコンビネーション

ここで描かれているどこまでが事実かは、当事者しかわからないですよね。
あくまでもフィクション映画として成り立たせる為には、それなりの感動がなければ意味がないと思うのですが、残念ながらそこの部分が欠けていました。
唯一ドキドキしたのは、ある人物をリビアから脱出させるシーンです。
いっそ、ドキュメンタリーの方が面白いんじゃないかな〜とか思ったりします。

ドキュメンタリーと言えば、エドワード・スノーデン氏がNSAによる個人情報収集に対し告発する様子を映し出したドキュメンタリー「CitizenFour」
こちらは来年(遅い!)日本でも公開されるようで、待ち遠しいところ

暴露:スノーデンが私に託したファイル

暴露:スノーデンが私に託したファイル

 

不正を告発できない社会、特にその対象が大きな組織や権力だったりする場合に、それができない社会は怖い。
だから、スノーデンのような人が罰せられてしまう事に抵抗を感じるのです。
ただ何かが暴露される時には、その情報の正確性が精査される必要は強く感じますが。

日本では昨年、特定秘密保護法が施行されましたけど、これはかなり悪い方向へと向いてる感じがします。