上映時間:約2時間51分
原作:マーク・ハッドン(ガーディアン賞受賞)
脚色:サイモン・ステファンズ
演出:マリアンヌ・エリオット
主演:ルーク・トレッダウェイ
【概要】
並外れた頭脳をもつ15歳のクリストファーは、その才能を活かして隣人シアーズさんの犬を殺害した犯人を探そうとする。2013年のオリヴィエ賞で作品賞を含む主要7部門(最優秀プレイ賞、最優秀演出賞(マリアンヌ・エリオット)、最優秀主演男優賞(ルーク・トレッダウエイ)、最優秀助演女優賞(ニコラ・ウォーカー)ほか)を独占し、ブロードウェイ公演では第69回トニー賞プレイ部門最優秀作品賞や最優秀演出賞などを受賞した。日本でもV6森田剛主演で上演され、高い評価を受けている。
(公式サイトより転載させていただきました)
2014年から(たぶん)始まったナショナル・シアター・ライヴ
これまで見ることができたのは
『フランケンシュタイン』
『コリオレイナス』
『ザ・オーディエンス』
『リア王』
『オセロ』
『ハムレット』(ベネディクト・カンバーバッチ版)
残念ながら見逃した作品は
『ハムレット』(ローリー・キニア版)
『欲望という名の電車』
『二十日鼠と人間』
『スカイライト』
『宝島』
そして、今回の作品
今迄見た中で、一番好きです!
ヘレン・ミレン主演の『ザ・オーディエンス』も素晴らしかったけど、
これは何ていうか、心の中心にズドーン!ときました
気が早いけど、今年一番の作品はこれかもしれません
主人公クリストファーは父親と二人で暮らす15歳の少年
利便性のため一般に「自閉症」という名称で呼ばれる、そんな症状を持つクリストファーが、ある夜犬の死体を発見したことから始まる冒険が描かれています。
観客である私達の冒険心やワクワク感はくすぐられますが、当のクリストファーは冒険なんてしたくなかったでしょうね(笑)
彼は、人の表情から気持ちを推し量る事ができない、見たものの情報が一度に頭に入ってきてしまう、など普通の人とはちょっと違う個性を持っています。
けれども数学や物理は、大学入学試験である上級試験を受けるくらい得意です。
そんな彼が語る言葉やステージ上の演出で、クリストファーの頭の中のイメージが鮮やかに目の前に差し出されたかのような感じなのです。
体験型というか、クリストファーの気持ちを追体験しているような感覚です。
脳で直接感じるとでも言えばいいかな。。。
クリストファーの語る言葉もいちいち面白いし、宇宙空間を漂う感覚や、電車のゆれなど、フィジカルな表現も素晴らしい。
原作は未読だったので、早速図書館で借りました。
クリストファーの語る言葉が面白くて、一気に読んでしまった。
お芝居は結構、原作そのまんまという印象です。
可笑しくて、心が痛い
見ているうちに、段々クリストファーに共感していきます。
理解することはできていないのだろうけど、彼と一緒に衝撃をうけ、彼と一緒に泣きました。
字幕が相変わらず変だったけど(苦笑)、素敵な舞台です。
主演のルーク・トレッダウェイも素晴らしかった。
どう見ても、15歳の少年クリストファーでしたよ。
イギリスの演劇界は狭いけど、層が厚いというか深いな〜
今後(4月に)上映があるのは、吉祥寺オデヲンだけのよう。
ぜひ、関西でアンコール上映して欲しい、私ももちろん沢山の方に見て欲しいと思う舞台です。
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