監督:ジャック・リヴェット
(2007年 フランス/イタリア)
【物語のはじまり】
ナポレオン軍の英雄モンリヴォー将軍(ギョーム・ドパルデュー)は、
スペインの修道院でずっと探し続けていた女性(ジャンヌ・バリバール)と再会する。
その人は、5年前に将軍がパリの舞踏会で見初めたランジェ公爵夫人だった。
夫人は将軍の愛を巧みに交わしていたが、本物の愛を知った公爵夫人を待っていたのは
悲しい運命だった。(シネマトゥデイより転記させていただきました)
19世紀フランス、上流階級の社交場。おそらくお互いの気持をさぐり合いながらの
駆け引きで成り立つ恋愛(それも不倫)なんだろうなぁと思いながらも、
あまりにも予測どおりのアントワネットの行動には滑稽さを感じてしまった。
エリック・ロメールの映画に出てくる可笑しな人達みたいに。
ところが、これが悲劇的な展開になるので、そうそう笑ってもいられない。
恋のゲームをしかけた相手が悪かったんですね。アルマンは社交界の規則や
まどろっこしい会話なんて眼中にない荒くれ者。
観ているこっちが引いてしまいそうな手段に出る訳なんです。
そして、ここでのアントワネットの態度がよかった。この時点で初めておっ、意外と
いい女やん! とヒロインが好きになりましたよー。
ギョームはちょっと無骨な雰囲気が、やはりジェラール・ドパルデューに似てますなぁ。
「モンテクリスト伯」で見かけた時はなかなかの美男子で、父親とはかなり違う
イメージだったんですが(ちなみにこのドラマには娘のジュリーも出演してます)。
たとえ盲目的な恋愛の渦中にいても、まず自分ありき!なんですね、おフランスは。
アントワネットの行動の、自分の立場は相手に委ねず自分の手ではっきりさせる的な所に
文化の違いを感じて、面白かった。
それと、ミシェル・ピコリ演じるヴィダムがよかったなぁ。
ちょっと単調になりがちな作品に味わいが出て。
今作の観客は年輩の女性が多かったような気がする。原作がどーのこーのっていう話に花が
咲いてた様です。バルザックの原作を読んでからもう一度観るのもいいかもなんて思いました。
原作↓
ランジェ公爵夫人 (2008/03/04) オノレ・ド・バルザック 商品詳細を見る |
シネ・ヌーヴォにて鑑賞。