ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

カミーノ(第6回ラテン・ビート映画祭 その1)

今年もやってきましたぁ〜 スペイン・ラテンアメリカ映画祭。

とはいっても、なんやかんやでバタバタしていて2作品のみの鑑賞となってしまいました。
でも、かなり密度の濃い2作品やったんではないかなぁと満足度は高かったです、ハイ。

「カミーノ」
監督:ハビエル・フェセル
(2008年 スペイン)

【STORY】
初恋に心弾ませる11歳の少女カミーノを襲った突然の病。
オプス・デイの敬虔な信者である両親は神と医師にすがりつくが、
数回に渡る手術もキリストも彼女を救えない。
刻々と悪化する病状、あくまでも厳しく教えを実践し続ける母、
弱音も吐かせてもらえないカミーノを見て、次第に教義に疑問を抱き始めるも何もできない父。
幻想と現実、少女らしい想いと教えの間を生きたカミーノが最後に見た幸せな夢に現れるのは、
果たして神なのか。
ゴヤ賞6部門制覇の感動巨編は、実話を基に人の命と神、
死と幸福の解釈を真正面から問いただした衝撃の話題作!
(公式サイトより転記させていただきました)

2009年ゴヤ賞監督賞・作品賞・脚本賞・主演女優賞・助演男優賞受賞と
輝かしい受賞を果たしたというこの作品、いろんな意味で見ごたえがあった。

とにかく冒頭から見ていて辛い。。。。
143分、トータルでは見ていてしんどい部分が多い映画でもありました。

ローマ・カトリック教会の組織であるオプス・デイ。
信仰の自由を大前提として考えても、親が子供に与える多大な影響を考えると
親の信仰を子供に半ば強制する教育というものに、大いなる疑問を感じずにはいられません。
それって結局、自分の思うとおりに子供をコントロール、支配しようとしている様に思えます。

しんどい時はしんどいって言っていいんだよ!カミーノ。
母親より看護婦さんの言ってる事の方がよっぽど人間らしいというこの腹立たしさ。

私自身、「すべてを神にゆだねる」「神様が教えてくださる」なんていう言葉は正直、大嫌いです。
(あー、すみません。ちょっとこうゆう権力を笠に着ている様に見える存在を見ると
頭にきてしまって辛口になってしまいます)
司祭は組織の宣伝材料としてしかカミーノの事を見ていないと思われるし、
たかだか一司祭の変な銅像みたいなのが、何故礼拝堂にあるの????気持ち悪いです。

だいたい、その宗教の信者のみが救われるなんていう考え方自体、おかしいと思うんですよね。
どんな宗教を信仰してようと、また無宗教や無神論者であったとしても
本当に偉大なる存在なら全ての命を救うべきだと思うし。

異なる宗教だから争うとか、聖地の取り合いとか、なかなか理解しがたいですね。
別の面で宗教は、ボランティアとか奉仕の精神とか、マザー・テレサみたいな
素晴らしい人を生み出す原動力となる場合がある事も否めないんですが。

という訳で、頭から変なケムリ出しながら鑑賞してました。(^-^;A

それでも、カミーノの夢の世界(この夢がまた結構怖いんですけど)や
(オカン、それ以上「守護天使」って言葉言わんといて!)、
想像の世界の映像がファンタジックでなんだか素敵。
お芝居の発表会とカミーノの最後のシーンがシンクロする部分等、
ハッとさせる演出も好きです。

カミーノ役の女優さんがとても魅力的。
でも、ビックリするお芝居とかはちょっとわざとらしかったかな。
カミーノがパピーに言う最大の褒め言葉、可愛いかったです(ママが… という)。
それにしてもパピー、不注意すぎるでしょっ! ひど過ぎる展開にボーゼンとしてしまった。

ぐったり疲れました。でも見る価値アリな作品ですね。

梅田ブルク7にて鑑賞。