ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ソフィアの3つの運命

第15回大阪ヨーロッパ映画祭
その1

ソフィアの3つの運命
監督・脚本:リュドミル・トドロフ
(2007年 ブルガリア)

【ストーリー】
新しい仕事と人生を探して首都ソフィアへでてきた3人。右も左もわからない大都会で、
厳しい現実と戦いながらもしっかりと身を寄せ合い、ともに未来を模索し始めるのだが、
故郷から遠く離れ、考え方の違いや嫉妬心を前に、
年月をかけて培ってきた友情と信頼の関係は徐々に揺らぎはじめる。
怪しげな男の愛人となり派手な生活を始めるカティヤ、
そんな彼女への嫉妬から恋人のいる男の誘惑に乗り自らを傷つけてゆくドラ、
新生活に翻弄される二人の親友を支え、繋ぎとめようと努力するエレナ。
果たしてそれぞれの道を歩き始めた3人が最後に見つけた大切なものとは?
(HPより転記させていただきました。)

先週からヨーロッパ映画祭の回顧上映を観に行くのに精一杯で
(E.ロメール日本最終上映ということで、これは行かなくては!)
ブログ更新さぼっちゃいました、ハァ。

さて、金曜日からリサイタルホールで始まった「最新映画初上映」ですが、
昨日はこの作品を直感で選んでみました。
同じ日に上映された「永遠のこどもたち」にも興味アリアリでしたが、
年明けにも早々と上映が決まっている様なので、今回はパス。

3人の若い魅力あふれる女の子達が出て来るというだけで見る価値がありますが、
特に堅実なエレナ役の女優さんが、踊りのシーンも可憐でとても可愛い。
また、同じアパートに住むミュージシャンの男の人がユーモラスな存在で、
彼が話すヤギのおとぎ話も印象的でした。

ブルガリアにおける女性の仕事。私のイメージは夜明けと共に薔薇の花びらを
摘むっていう感じでした、ベタですけどね。このソフィアみたいな都会と
ブルガリアが結びつかなくて(どの国でも都会はあるにね!)。
女性が男性に頼らず、自分の能力で這い上がれる程、
この国はまだ成熟してないのかもしれません。
ブルガリアにおける、地方出身の若い女性の現実を少しだけ垣間見た様な気がした作品。

上映後のディスカッションは、予定していた主演女優さんの来日中止により、
助演のゲルガナ・ストヤノヴァさんとプロデューサーの方を迎え、行われました。
このストヤノヴァさん、映画の中の役柄は、ドラを誘惑する(誘惑される)警官の
パートナーです(肉屋を経営するクールな女性)。
お二人とも英語で話すのが大変そうでしたが、特にプロデューサーの方は
四苦八苦している感じ。そこらへんをさりげなくフォローしている
ストヤノヴァさんは知的な魅力にあふれた素敵な方でした。
ディスカッションは、質問された方のちょっとした勘違いというアクシデントも
ありながら、なかなか面白かった。
このお話自体、実話からヒントを得て作ったという様な事も話題に出ていました。

リサイタルホールにて鑑賞。