公式サイト:http://thetribe.jp/
※音声が出ますのでご注意ください
監督・脚本:ミロスラヴ・スラボシュピツキー
撮影・編集・プロデューサー:ヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ
プロダクションデザイン:ヴォラド・オドゥデンコ
サウンドデザイン:セルギー・ステパンスキー
コスチュームデザイン:アリョナ・グレス
クリエイティブプロデューサー:エレナ・スラボシュピツキー
プロデューサー:イヤ・ミスリツカ
(2014年 ウクライナ制作 132分)
原題:THE TRIBE
※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください
【ストーリー】
ろうあ者の寄宿学校に入学したセルゲイ(グレゴリー・フェセンコ)。
そこでは犯罪や売春などを行う悪の組織=族(トライブ)によるヒエラルキーが形成されており、入学早々彼らの洗礼を受ける。
何回かの犯罪に関わりながら、組織の中で徐々に頭角を現していったセルゲイは、リーダーの愛人で、イタリア行きのために売春でお金を貯めているアナ(ヤナ・ノヴィコヴァ)を好きになってしまう。
(公式サイトより転記させていただきました)
長期にわたり、ブログをお休みしてしまいました。
この映画も1か月近く前に見たので、テアトル梅田ではすでに上映終了してます。
ちなみに、京都シネマや元町映画館では上映中のようです。
衝撃的な内容
暴力や痛い描写が苦手な人は、生理的にキツい映画
冒頭、「字幕も吹き替えすらも存在しない」というテロップ。
字幕もないのか。。。と少し不安を感じながらも見るうちに、グイグイ物語にひきこまれていきます。
聾者が主人公であっても、ここで描かれるているのは聴者の中にも存在する悪意に満ちた閉ざされた世界です。
(タイトルの「トライブ(tribe)」とは「族」とか「集団」とかの意味らしい)
聾唖者の寄宿学校に入った主人公が、ズンズンと悪の世界に入り込んできます。
不良生徒達は学校の一部の教師や職員とグルとなり、強盗や売春を繰り返すのです。
無意識に持っていた「障害者=善人」という印象が、木っ端微塵に打ち砕かれます。
考えてみればどんな世界にも、色んな人がいるはずですよね。
登場人物達の会話(手話)の字幕がないので、彼らの仕草や表情からその感情などを把握します。
彼らは手話も含めたアクションが激しいし、表情も豊なのでわかりやすいとも言えるのですが、ちょっとだけモヤッとする部分も。
全体像として考えれば不必要だし、新しい試みだとは思うのですが、細かいニュアンスが気になるシーン(例えば女の子同士の会話)なんかは、そこんところを知りたい気持ちになります。
それから、主人公セルゲイが独占したがったアナの、あるシーンが見てて痛すぎました。
彼女の声にならない声。
ここは、あそこまで詳細を見せる必要がはたしてあったのかな〜。
セルゲイは、悪の世界にいとも簡単に染まっていき、かなり暴走してしまいます。
この極端な行動に、そこまでするか?! と暗い気持ちになったまま映画は終わります。
要するに、重くてキツくてしんどいんです。
でも、映画としては突出したモノがあるんですよね。
ラストシーン、なんで誰も気がつかないの?と思った自分にハッとします。
いやー、バカですね、私。
それだけ聾者である事を意識しないで見ていた、という事かもしれません。
テアトル梅田 にて鑑賞