ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

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「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」 〜3Dである事の意味〜

Pina01

公式サイト:http://pina.gaga.ne.jp/音が出ます!

監督・脚本・製作:ヴィム・ヴェンダース
(2010年 ドイツ/フランス/イギリス 104分)
原題:PINA 3D

※ネタバレ含みます。

【この作品について】
ドイツの舞踊家、演出・振付家ピナ・バウシュと、彼女が芸術監督をつとめる“ヴッパタール舞踊団”。
2009年6月この世を去ったピナの姿と、ダンサー達のパフォーマンスによって構成された
ダンス・ドキュメンタリー。

昨年の大阪ヨーロッパ映画祭でオープニングを飾ったのがこの作品。
上映されるのを待っていました。

これまで、3D映画はなるべく避けてましたが(なんせあのデカイ眼鏡が重い)、
この作品には、アトラクションを楽しむといったノリで3Dを多用する映画とは
違った意味があるんじゃないのかなという期待もあったし。
最初に体験した「アバター」からの3D嫌いも、ここにきてちょっと変化したかもしれません。

「興味があるのは、人がどう動くかではなく、何が人を動かすのかということ」という
ピナ・バウシュの言葉にもあるように、ダンサー達の踊り(動き)からは
人間の内面がダイレクトに伝わってくる。演劇と舞踊のミックスといった感じでしょうか。

例えば、クラシックバレエの演目を鑑賞している時に感じる「ダイナミックだなぁ、繊細だなぁ、」等という
“その美しい動きに感動する”という気持ちとは異なる“何か”が胸の中にわいてくるのです。

ヴッパタール舞踊団のダンサー達の動きはコミカルだったり、時にグロテスクだったり。
ある意味人間らしさみたいなものが感じられ、内なる衝動からの表現という印象を受けます。
(個人的には、モノレールに乗り込んだ枕とたたかう女性に大ウケした)
コンテンポラリー・ダンスには正直あまり興味がない私でも、面白かったです。

上映されるシアターもけっこう限られているようですが、
身体で表現するという事に少しでも興味のある方なら、見逃せない映画だと思います。

梅田ブルク7にて鑑賞。