公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/hereafter/index.html(音が出ます!)
監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ピーター・モーガン
撮影:トム・スターン
(2010年 アメリカ)
原題:HEREAFTER
※ネタバレ含みます。
【ストーリー】
霊能力者としての才能にふたをして生きているアメリカ人のジョージ(マット・デイモン)、
津波での臨死体験で不思議な光景を見たフランス人のマリー(セシル・ドゥ・フランス)、
亡くなった双子の兄と再会したいイギリスの少年マーカス。
ある日のロンドンで、死に取りつかれた3人の人生が交錯する。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)
スピリチュアルな物語という事で、怖いシーンが無ければいいなと思いつつ見に行きましたが、
意外な事に一番怖かったのは冒頭、リゾート地での津波のシーンでした。
このシークエンスは、2004年12月のスマトラ沖大地震をモデルにしているんでしょうか?!
大きな被害を受けたピピ島(タイ)には過去に二度訪れていたので、
ニュースで配信される現地の映像には、当時ショックを受けたのを思い出します。
それ以外にはハリウッド映画にありがちな、ここぞ!とばかりの派手な演出は無くて、
(地下鉄の爆発シーンもちょっと派手やったけど)話は淡々と進んでいきます。
マリーが訪れたホスピスのシーンを見て、何か記憶にひっかるものがあり。考えてみると、
「メッセージ そして、愛が残る」でマルコヴィッチが演じる医師が勤めるホスピスのシーンでした。
どちらの作品も「“死”を知ることにより、生を全うする」というテーマを抱えている気がするので、
すごくよく似ているシーンが出て来るというのも当たり前かもしれません。
マッチョなマット・デイモンと、中性的な魅力を持つセシル・ドゥ・フランスの組み合わせが
なんか新鮮です。エロスを感じさせない、精神的な部分での繋がりが強いカップルという印象で、
物語にマッチしてたと思います。
それとは対照的だったのが、
料理教室で知り合ったメラニー(ブライス・ダラス・ハワード←ロン・ハワードの娘)との関係。
目隠しをして味を確認する、料理教室のシーンはエロティックです。
この辺の対比が面白い。
マット・デイモン、知的やのに見た目は一つ間違えたらイモ兄ちゃんというギャップが大好き。
ですが、「ボーン・アイデンティティ」シリーズのようなアクション系映画は苦手やし、
最近はなかなか私好みの作品に出てくれてなかったので、今回は貴重な一本です。
そういえば、最後に見た主演作「インビクタス 負けざる者たち」もイーストウッド作品でした。
イーストウッド監督作品の中でも、今作は社会派映画とも言えない感じで、
押し付けがましくなく、白黒はっきりさせなくてもいいやん的な雰囲気に好感を持ちます。
ラスト近くジョージがホテルに宿泊しているマリーにどんなメッセージを残したんだろう?とか、
彼が自分とマリーの関係を予知しているかのように思えるシーン等、
余韻の感じさせるような映画のつくりでした。この感じ結構好きです。
TOHOシネマズ なんばにて鑑賞。