ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ロゼッタ

ロゼッタ
監督 リュック=ピエール・ダルデンヌ
   ジャン=ピエール・ダルデンヌ
(1999年 ベルギー/フランス)


【物語のはじまり】
働いていた工場から突然解雇されたロゼッタ(エミリー・デュケンヌ)は、
キャンプ場のトレーラーハウスでアルコール中毒の母親と暮らす少女。
ある日、立ち寄ったワッフルスタンドで、
新顔の店員リケ(ファブリツィオ・ロンギオーヌ)と知り合うが。。。

カンヌで度々授賞しているダルエンヌ兄弟の第52回パルムドール受賞作品です。

なんせ手持ちカメラなので、ゆれる画面に酔いやすい方はご注意です。
ちょっとぐらい暗い映画みてもへっちゃらな精神状態の時に
観たい作品でもあります。

必死に生きている主人公を淡々と描いていても、
なんか力強さを感じるんですよね。表現が難しいんですけど、
引き込まれ型タイプ(?)の映画です。
観てる側も力が入ってしまう感じですかねぇ。

ところが、後半あたりからちょっと雰囲気が変わってきます。
とにかく仕事に就く事に必死な主人公の心の内面が、
あれっと思うほど意外なきっかけで露呈されるのですが。
ここらへんから、人間の恐さを感じて、少し距離を置いて
主人公を観てしまいます。

※ここらか少しネタバレ含みます。

なんといってもラストあたりがすごく印象的でした。
ついに絶望から現実を断ち切ろうと決心した主人公が
それを実行に移しても中断されてしまい、
現実に引き戻されてしまうシーンがすごく惨めで。。。
打ちのめされるってこういう事かなぁ。
最後に、自分の弱い気持ちをリケにぶつけた様な彼女の表情が
唯一救いやったけど。
それにしても、仕事を辞めるとわざわざ社長に電話したのは、
仕事に穴を開けない為の彼女の律儀さなんでしょうか?!

※ここまで。

最後まで観て、色々と考えさせられる作品です。
少なからずも主人公の行く末を想像する事になりそう。
同監督の他の作品、題名は知ってても観た事ないんです。
やはり下層の労働者階級を描いた作品の様です。
ぜひ観てみようと思いました。じっくりとね。