ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「子どもが教えてくれたこと」そのキラめきに感動した! みんなに見て欲しい映画

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公式サイト:http://kodomo-oshiete.com/

監督・脚本:アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン
(2016年 フランス制作 80分)
原題:ET LES MISTRALS GAGNANTS

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
主人公はアンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テュデュアルの5人の子どもたち。彼らに共通するのは、みな病気を患っているということ。治療を続けながらも、彼らは毎日を精一杯生きている。
(公式サイトより転記させていただきました)

 

子どもたちが勇気とパワーをくれる、そんなドキュメンタリー
その笑顔に微笑み、涙します

 

とにかく子供達がチャーミングで、ポジティヴで、それぞれの個性が面白い!

演劇好きな女の子、アンブル
5歳なのに、何故か貫禄のあるカミーユ
どこか成熟した振る舞いの、イマド
親友のジェゾンと仲良しのシャルル
植物にご執心のちょっとシャイなテュデュアル

 

特に私のお気に入りは、腎不全を患うイマド
ユーモアセンスのある彼の言動から、目が離せない
そんな普段明るい彼が、唯一見せた辛い治療への涙の様子は、見ているこちらも辛かったけど

 

そして、彼らに教えられることのなんと多いこと!

 

瞬間瞬間を精一杯に生きる彼らは、ある意味とてもシンプルに生きているのかもしれない
「悩みごとは脇においておくか、付き合っていくしかないの」(アンブル)

 

現状を受け入れ、生きる為に懸命に戦っている彼らを見ていると、いかに自分が臆病なのか気づかされる
「病気でも幸せになれるんだよ」(テュデュアル)

 

とにかく名言が多い!
頭でっかちなソレとは違い、彼らの日々の生活から生まれた現実的な言葉だから、スーッと心に染みるものばかり

 

見ていて温かい気持ちになれる作品で、人間ってそんなに悪いものでもないかもしれない、と思わせてくれる

 

フランスらしいなと思ったのは、自分の病気を理解できるよう大人が子供に何度も説明し、子供自身もそれを理解しようと試み、周りにも説明したりしているところ
たとえ5才の子供であっても、一個人として自分の事を説明する力をつけているのが、素晴らしい

 

監督は、長女と次女が異染性白質ジストロフィーを発病し、やがてその短い生涯を終えている。
長女との日々を綴った本はベストセラーになっているようで、こちらも併せて読みたい。

『濡れた砂の上の小さな足跡』(講談社刊)

濡れた砂の上の小さな足跡


シネ・リーブル梅田にて鑑賞