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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ジミー、野を駆ける伝説」 清々しい人

映画 さ行

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公式サイト:http://www.jimmy-densetsu.jp/
※音声が出ますのでご注意ください

監督:ケン・ローチ
製作:レベッカ・オブライエン
脚本:ポール・ラヴァーティ
製作総指揮:パスカル・コシュトゥー / グレゴワール・ソーラ / ヴァンサン・マラヴァル / アンドリュー・ロウ / エド・ギニー
美術監督:ファーガス・クレッグ
撮影監督:ロビー・ライアン
録音:レイ・ベケット
サウンド編集:ケヴィン・ブレイザー
キャスティング:カーリーン・クロフォード
衣装デザイン:イマー・ニー・ヴァルドニー
助監督:デイヴィッド・ギルクリスト / マイケル・クイーン
プロダクションマネージャー:イマー・マクマホン
編集:ジョナサン・モリス
音楽:ジョージ・フェント
(2014年 イギリス/アイルランド/フランス 109分)
原題:JIMMY'S HALL

ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
1932年、国を分断した悲劇的な内戦が終結してから10年後のアイルランド。
アメリカで暮らしていた元活動家のジミー・グラルトン(バリー・ウォード)が、10年ぶりに祖国の地を踏み、リートリム州の故郷に帰って来た。
 (公式サイトより転記させていただきました)

意外にも、そう重くなくて見やすい
むしろ晴れやかさを感じさせる様な、気持ちの良い作品でした。

近い時代を描いた同監督の「麦の穂をゆらす風」(2006年)が、とにかく見ていてしんどい映画だったので身構えてしまいましたよー。
しかし、今作品はクスッと笑える部分もあったりして楽しく見られます。爽やかな感動も。

看板のように掲げられたヒーローとは違う、一労働者が主人公で、
抑圧され虐げられながらも抵抗する人々に焦点を当てた物語。
ジミー・グラルトンの人生や性格の詳細等はあまり多く知られていないようで、
この映画は「彼の人生とその時代から“インスパイア”されたもの」だとのこと。

ジミーが私費を投じ村の仲間と協力して建てた“Jimmy's Hall”(ジミーのホール)
そこでは、村の人々が絵や詩を学び、音楽やダンスに興じます。
ここは地域住民達の憩いの場所なのです。
しかし、芸術や娯楽を楽しむそんな彼らの活動を、保守的な教会や地主達は快く思わず、対立を招くことになります。

アイルランドといえば宗教的な国家というイメージでしたが、この時代は教会や神父の力がここまで絶対的だったんですね。
カトリック教会における児童虐待のニュースはもはやめずらしくないし、その背景にはどす黒いものがうごめいている、そんなイメージが定着してしまっているのではないでしょうか。

カトリック教会の犠牲者達を描いた映画では「あなたを抱きしめる日まで」(2013)が記憶に新しいところです。

しかし、ここで嬉しいサプライズが。
ひゃっほい! アンドリュー・スコットが出ているじゃないですか〜。

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彼の役は、権力の側でありながらもまともな考え方のシーマス神父。
アイルランド出身の俳優さん達が頑張ってます。
母親アリス役のアイリーン・ヘンリーさん、あのどっしりとしたユーモラスな感じ。
味があって良かった〜。

後世にその偉業が語られる有名な人物ではないけれど、それだけにリアリティがあってジミーに共感できるのです。
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国を追放されるジミーを見送る、地元の若者達

自由を重んじる彼の精神が、次の世代に受け継がれていく。
ここは、そんな事を感じさせる希望に満ちたシーンでした。

今回、胸にすぅーっと入ってきたジミーの言葉
「我々は人生を見つめ直す必要がある。欲を捨て、誠実に働こう。ただ生存するためではなく喜びのために生きよう・・・自由な人間として」
強欲に富を占有せず、人々がこういう気持ちで地道に暮らしていけば、もう少し平和な世の中になるんじゃないかなー、と思う私は甘ちゃんでしょうか。

シネ・リーブル梅田 にて鑑賞。