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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「よりよき人生」 〜愚かさは罪だ〜

映画 や行

A BETTER LIFE

公式サイト:http://yoriyoki.net/

監督:セドリック・カーン
脚本:カトリーヌ・パイエ、セドリック・カーン
撮影監督:パスカル・マルティ
編集:シモン・ジャケ
音響:オリヴィエ・モヴザン
(2011年 フランス/カナダ 111分)
原題:A BETTER LIFE

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
学食の調理人として働く35歳のヤン(ギョーム・カネ)はシェフを目指し、
採用面接に行ったレストランでウエイトレスのナディア(レイラ・ベクティ)と出会う。
初めてのデート。二人は熱いキスに酔い、一夜を共にした。
次の朝、彼女はシングル・マザーだとヤンに打ち明ける。
息子で9歳、名はスリマン(スリマン・ケタビ)。
ヤンはスリマンと直ぐに打ち溶け、友達のように仲良くなる。
(公式サイトより転記させていただきました)

2011年の東京国際映画祭で上映された映画。
この監督の作品は「チャーリーとパパの飛行機」(2005年)以来の日本公開となるようです。

最初と最後で大きく印象の変わった映画でした。

レストランを開業するため、頭金があると銀行に嘘をつき、
その頭金分を消費者ローン何社からも借りるという
誰が聞いても無謀としか思えない行動に出るヤン。
そのヤンの強引さを、一種羨望の眼差しで見るナディア。
あー、バカップル!

この二人、関係の始まりが安易なのはまぁいいとしても。
あまりの考えの甘さに、見ててイライラが募る展開なのです。
前半は、この二人が主人公かー。。。とちょっと気が重くなりました。

案の定、借金で身動きがとれなくなるヤンですが、
こうなると、もうお金の事しか考えられなくなるんですね。
お金にとりつかれたヤンの様子には、目をつぶりたくなります。

ただ、こういう状況にあってもナディアの息子スリマンを見捨てないヤンは、
愚かではあっても悪人ではない、むしろ気のいい人だというのが伝わってくるので、
なんとか立ち直って欲しいと、ヤキモキしながら応援してしまうのです。

後半30分位の目まぐるしい展開は、ドキドキして心臓に悪かったですよー。
ここまでいろいろあっても、人を思うその暖かい気持ちに感動させられ、
泣けてしまうんだから、不思議ですね。

自らの愚かさ故、無実の罪をきせられる事になるナディアを
なんとか支えようとするヤンの様子には、かんばれ!と言いたくなるし、
「これからは物事を深く考えて、危険を回避する人生を送って欲しい」と
(フィクションにも関わらず)親戚のおばちゃん的助言を与えたくなるんですよね。

そう、やっぱり愚かさは罪ですよ。周りを巻き込んで不幸にしてしまいますから。
頭のよろしくない兄ちゃんをギョーム・カネが繊細に演じきってます。
ナディアには、「パリ、ジュテーム」(2006年)、
「ジョルダーニ家の人々」(2010年)にも出演していたレイラ・ベクティ。

シネ・リーブル梅田にて鑑賞。