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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「トゥルース 闇の告発」 行き場のない怒りにキリキリ〜ッ!

トゥルース 闇の告発 [DVD]

トゥルース 闇の告発 [DVD]

 

監督:ラリーサ・コンドラキ
脚本:サイモン・ビューフォイ
製作:クリスチャン・コルソン
作曲:A.R.ラフマーン
(2010年 アメリカ=カナダ制作 113分)
原題:The Whistleblower

※ネタバレ含みます

【ストーリー】
警察官のキャシー(レイチェル・ワイズ)は、アメリカの民間軍事会社から
内戦中のボスニアに派遣される。負傷した少女ラヤを保護しようとした事から、
不審を抱き調査を開始。やがて、現地の警察官や国連関係者が、
売春組織から賄賂を受け取り、人身売買にまで荷担している事を知る。

「平和維持活動の名の元で人身売買が行われている」という事が
国連部隊で働いていた女性警察官によって告発されたという
この事件については、恥ずかしながら全く知りませんでした。
平和に貢献するはずの組織によって、非人道的な行為が
行われているというのは、ショッキングな内容ですね。

日本では劇場公開されずにDVDスルーの作品。
ベネディクト・カンバーバッチ目当てで見た映画でしたが、
こういった内部告発があった事を知る事ができて良かった。

「国連」にしろなんにしろ、こういった巨大組織に対しては
漠然と胡散臭いなーと身構える気持ちがあるのですが
この映画の展開には、行き場のない腹立たしさに
見ていてかなりキリキリしてしまいます。

主人公キャシーは疑惑を感じた折、まず同僚の警察官達に疑問をぶつけ、
すぐ上の上司に報告書を提出するという手順を踏むのですが、
なんていうか、最初から読みの甘さみたいなものがあるのです。

証言を依頼したラヤ達から「守ってくれるのか」と聞かれても
全く自信が持てない状態で安請け合いしてしまうシーンや、
資料を持ち出す前に、トップに告発のメールを送信してしまったり。
ここら辺はたぶん映画を盛り上げる為の演出なのかなぁと思うのですが、
レイチェル・ワイズの様子が必死でちょっと感情的に見える分、
一歩引いてしまう感覚もありました。

正義感に燃えるキャシーに冷笑をあびせる男達よりもむしろ、
移民局のローラ(モニカ・ベルッチ)の、あくまでも事務的な
手続きにこだわり、全く人道に配慮していないようにとれる様子が、
脳裏にこびりつきます。怖い。

テロップによると、ここで告発された関係者の誰一人として
罪を問われていないという事でした。
そういう点で、カタルシスを感じる事はできず
モヤモヤしたやりきれない気持ちが残ってしまう映画です。
それでも“知る”事は大事だなと思います。

イマジカBSで鑑賞。
今月はあと2回、同作品の放送予定がありますので
イマジカが視聴できる環境で見逃した方は、まだ間に合います。