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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「桐島、部活やめるってよ」 〜発展途上な時代〜

公式サイト:http://kirishima-movie.com/index.html音が出ます!

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監督:吉田大八
脚本:喜安浩平、吉田大八
原作:朝井リョウ
主題歌:高橋優
(2012年 日本 103分)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
とある田舎町の県立高校映画部に所属する前田涼也(神木隆之介)は、
クラスの中では地味で目立たないものの、映画に対する情熱が人一倍強い人物だった。
そんな彼の学校の生徒たちは、金曜日の放課後、いつもと変わらず部活に励み、
一方暇を持て余す帰宅部がバスケに興じるなど、それぞれの日常を過ごしていた。
ある日、学校で一番人気があるバレー部のキャプテン桐島が退部。
それをきっかけに、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始めていく。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

どうしても!という作品は上映されていないけど、映画館で映画を見たい気分です。
「トガニ」「あの日 あの時 愛の記憶」などは気になるけど、ヘヴィそうで気がすすまないし。
あっ、スティーブ・マーティン、ジャック・ブラック、オーウェン・ウィルソンが競演!という
面白そうな映画がシネマートさんでかかってる♪ と思ったら夕方からの上映で都合が悪い。

そんな中、吉田大八監督作品がシネコンで上映されているのを発見!というか
あきらかに映画情報を知らなすぎですね、私。。。。毎週映画館行ってるくせに。
特にシネコン上映作品に疎いんですよね。考えたら「クヒオ大佐」もシネコンでの上映だった気がしますが。

結果的には、なかなか面白い映画で楽しめました。
原作はもちろん、粗筋も知らない真っ白な状態で見たのが良かったのかも。

タイトルに登場する“桐島”という生徒、冒頭からその名前が飛び交うものの
姿が全く見えず。(という事実にはしばらく気がつかなかった私ですが)
桐島が部活をやめると判明した金曜日の学校の様子が、
主要な登場人物、それぞれの視点で描かれるところから物語は始まります。

学校って、ここに登場するようなランク付けが付きまとう社会なのかも。
そういうのに一喜一憂するのがめんどうで、私は中学から私立の女子校に逃げた口なので、
正直あんまり実感はないのですが(時代も違うしね)。
それでも、この発展途上な精神を抱えて生きていた時代に伴う
心のグチャグチャはわかる気がします。グループ行動っていまだに苦手ですし。

その“桐島”をめぐり右往左往する人たちも登場するわけで、
なぜ一人の生徒にそこまで影響されるのか?と、正直共感はできないんですが
演出・構成が良いのでぐぐっと引き込まれます。演者がそれぞれの味を出してるも良いし。

中でも、野球部のキャプテン役の人。なんか“間”が竹中直人さんっぽくて愛嬌がありました。
あとは、映画部の武文クン。帰宅部の男子に対して「思いっきり不毛な事、やらせてやる」等の
負け犬の遠吠えっぽい皮肉な発言も面白かった。

それにしても、映画オタクの男子ってスプラッター好きという設定にされがちな気がするんだけど、
本当にそうなのかなぁ? アメリカ映画、特にB級映画好きっていうイメージはあるけど。
前田くんが読んでるのも「映画秘宝」やしね。「鉄男」なんてお金もらっても見たくない私としては、
リヴェットやゴダール好きのオタク男子が登場しても良い気がするんですが。

働き始めてそれなりに経験を積み年を重ねると、学校なんて小さな社会だったんだなぁと
わかる訳なんですが、当事者としてはそこが世界の全てでもあるわけで。
「オレたちは、この世界で戦わなければならないのだから」なんですよね。

そんな時代でも、自分が夢中になれる事、追求したいがわかってる者は幸せですよね。
そこには、周りの評価なんて関係のないキラメキがあるんですから。

吹奏楽部の沢島亜矢は、それまでの行動がグジグジしてただけに、
演奏の後に見せた充足感あふれる表情は、すがすがしかったですね。

そういう意味で、宏樹という人物にはふんぎりの悪い感じがつきまとっている。
好青年なんだけど、なんか鈍いところがあるというか。
老婆心で「青年よ、流されてはイカン!思い切りやってみろ!」と声をかけたくなります。

TOHOシネマズ なんばにて鑑賞。