ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

エリック・ロメール

11日、フランスの映画監督、エリック・ロメールが亡くなりました。

昨日、一番沢山作品を読んだ作家はアガサ・クリスティという事を書きましたが、
一番沢山その作品を観た監督はおそらくロメールだと思います。
その人の創った映画を20本以上見ているという監督は、私にとって彼だけじゃないかなぁと思います。
作品を観始めたのは20代後半からなんで、けっこう遅いんですけどね。

ここで、一番好きな作品。。。。というのはなかなか難しいですね。
最初に好きになって繰り返し見た作品は、もちろん覚えています。

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マリー・リヴィエールヴァンサン・ゴーチエ

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夜中にテレビで偶然見て、すごくリアル(ラスト以外)に感じたんですね。
デルフィーヌほどではないにしろ、私自身もああいうイヤな女かもしれないと思い込んで。
この鼻に付くちょっとヒステリー気味な女主人公が、ツボにはまった事が
その後、エリック・ロメールという人の映画を追いかけるきっかけとなりました。

彼の作品に出てくる生意気で自由奔放な女性達。そんな中で「友達の恋人」のブランシュは
気弱なんやけど自意識過剰というちょっとめずらしいタイプかも。『喜劇とことわざ』シリーズだけあって、
まるでシェークスピア喜劇のようなこの作品は、繰り返し観た思い出の作品です。

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エマニュエル・ショーレソフィ・ルノワール

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女性達に比べ、出てくる男性陣は精彩を欠いてますね。滑稽で面白かったり可愛くはあるんですけどね。
時々イジョーに鬱陶しいし。(^-^;A よく出てくる知的階級に属する男性なんかは、
この傾向が強いかも。手に負えない勘違いオヤジや、気弱な優柔不断青年等など。

勘違い男と勘違い女に笑ってしまう作品がコレ。そんな大人をよそにポーリーヌの周りには
爽やかな風が吹いてますぅ〜。

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初期の短編やオムニバス作品もそれなりに楽しいけれど、しみじみと好きな作品はこれでしょうか。

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マリー・リヴィエールベアトリス・ロマン

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今日紹介させていただいた作品はどれも、特にエリック・ロメール監督が好き!という方でなくても、
また、初めて観る方でも楽しめる作品じゃないかなぁと思います。

人間の滑稽なところを笑い飛ばしてしまう、そんな深刻ぶってないロメール作品は、
肩のこらない映画を楽しみたい、そんな気分の時に最適じゃないでしょうか。
ただし、作品によっては登場人物にイライラさせられることがありますので、ご注意ください。(^-^;A