ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

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パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト 〜その音楽に浸る〜

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公式サイト:http://paganini-movie.com/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・脚本・撮影:バーナード・ローズ
製作:ロジリン・ヘラー、ガブリエル・バッハー、
   ダニー・クラウス、クリスティアン・アンガーマイヤー
共同製作:ヴェロニカ・フェレ
製作総指揮・音楽:デイヴィッド・ギャレット
美術:クリストフ・カンター
衣装:ビルジット・ハッター
編集:ブリッタ・ナーラー
音楽:フランク・ファン・デル・ハイデン
(2013年 ドイツ制作 122分)
原題:THE DEVIL'S VIOLINIST

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
音楽史上、これほどスキャンダラスな伝説をまとった
ヴァイオリニストが存在しただろうか。
ニコロ・パガニーニ──聴衆を驚愕の嵐に巻き込み、
「悪魔に魂を売り渡して手に入れた」と恐れられた
前代未聞の超絶技法、派手な女性関係、ギャンブル・・・
尽きることのない逸話の影には、
彼の人生を変えた知られざる二人の人物がいた。
 (公式サイトより転記させていただきました)

最初から最後迄、とにかくヴァイオリンと音楽の
魅力で押し切る(笑)映画

パガニーニ役のデイヴィッド・ギャレットによる
超人的なヴァイオリンの技巧もさることながら、
そのドラマチックな旋律に心奪われてしまいます。
劇中の曲(パガニーニ以外のモノも含め)は全て
クラシック音痴の私でも聴き覚えがあり、馴染みやすいし。
今作でも見る事ができる様々なヴァイオリンの奏法は、
パガニーニが始めた事なんでしょうか?
だとしたら画期的ですね。

また、シャーロット(アンドレア・デック)の歌う
アリア(ヴァイオリン協奏曲第4番~第2楽章)も
彼女の透き通る声とヴァイオリンの音色の
ハーモニーが素晴しく、せつないメロディと共に
とても強い印象を残します。

音楽以外の部分ではどうなのか?というと、
マネージャーのウルバーニ役、ジャレッド・ハリス
胡散臭さが良かった。
悪魔に魂を売り渡したと噂されたパガニーニですが、
その悪魔的存在としてウルバーニが描かれています。
飴と鞭を使い分けパガニーニを奮い立たせる
計算高さと、隠された邪悪さが感じられる
映画の軸となるキャラクターでした。

ロンドンにおけるパガニーニの公演を企画する
ジョン・ワトソン役にクリスチャン・マッケイ
(ちょっと間の抜けた良い人の役が似合う)や、
ヘルムート・バーガー(バーガーシュ卿)、
ジョエリー・リチャードソンなど
主役以外(笑)の演技力で、
それなりの安定感はある映画になっています。
ヘルムート・バーガーは、若くて美しい男の子達を
周りにはべらせた貴族役が板についてますわねー。

映画としての深みや物語性には、
これといって特筆すべき所はありませんが、
音楽の力だけでこれだけ魅せる映画もそうそう
あるもんじゃないなぁという印象です。
劇場で見てよかったです。鳥肌たちました。

デイヴィッド・ギャレットのファンなら
むちゃくちゃトキメク映画なんだろなー。
私も彼のヴァイオリン演奏には痺れましたから。

TOHOシネマズ 梅田 にて鑑賞