ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ベジャール、そしてバレエはつづく

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公式サイト:http://www.cetera.co.jp/bbl/

監督:アランチャ・アギーレ
(2009年 スペイン)

【ストーリー】
モーリス・ベジャールの一周忌に当たる日にバーゼルで行なわれた「80分間世界一周」の公演と、
その1か月後にローザンヌで行なわれた新監督ジル・ロマン振付作品「アリア」
ワールド・プレミア上演にカメラが潜入。団員たちが自分たちのバレエを続けることで、
ベジャールの遺産を伝えていこうとする姿が映し出されていく。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

2007年11月22日に亡くなったモーリス・ベジャール
彼の後継者、ジル・ロマンの勇気ある挑戦に胸を打たれる。

おそらく沢山の方がそうであるように、私がベジャール作品に初めて触れ感動したのも
クロード・ルルーシュの「愛と哀しみのボレロ」を劇場で観た時でした。

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ジェームズ・カーンロベール・オッセン

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その後、20世紀バレエ団のチケットを取ったのにもかかわらず、当日仕事で行けなかったという
屈辱的な経験をへて(現在の私のふてぶてしさがあったら行ってたはず!)、
その後の来日公演には、一度しか行く事ができていません。
とうとう、ジョルジュ・ドンの姿をこの目でみることはできませんでした。

映画の始まり、2008年11月パリ・オペラ座ベジャールの追悼公演での「アダージェット」。
オリジナルでこの作品を踊ったジョルジュ・ドンから、直接指導を受けたジル・ロマン。
ソリストである彼の踊りをみた時、「ボレロ」を観た時の感動がよみがえった気がしました。
人の肉体、踊りという表現を通して、こんなにも伝わってくるものがあるんですね。

しかしこのドキュメンタリーの本筋はここではなく、ベジャールなきあとも
BBL(ベジャール・バレエ・ローザンヌ)として新しく最高のものを生み出していこうと格闘する、
ロマンや団員達の姿を映し出しているところにあると思います。

とにかく、もう!ジル・ロマンが素敵です。
ダンサーや振付師としてはもちろん、芸術家としてここまで極めた人が、
バレエ団を先導する存在としての力を発揮するんですが。そのプレッシャーたるや。
凡人の私の思考回路では、考えただけでシンド過ぎて耐えられましぇ〜ん。

「過去を振り返るな。困難でも前に進め」(モーリス・ベジャール
僕にとって大事な形見は彼の言葉だ、というロマンです。苦悩しながらも前に進む姿は美しい。
バレエに特別興味がある人でなくても、ものごとを極めようと努める人達には共感できるのでは。
ファンでなくても、MJのTIIに感動した人が多かったように。

これまでのベジャール作品の映像も少しずつ紹介されていて、その素晴らしさに少し触れる事ができます。

テアトル梅田にて鑑賞。

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ドキュメンタリー映画

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