公式サイト:http://bahar-movie.com/
監督:エバ・ユッソン
製作:ディダール・ドメリ
脚本:エバ・ユッソン、ジャック・アコティ
撮影:マティアス・トゥルールストルップ
(2018年/フランス・ベルギー・ジョージア・スイス合作/111分)
原題:Les filles du soleil
※ネタバレを含みます
【ストーリー】
夫と息子と幸せに暮らしていた弁護士のバハール(ゴルシフテ・ファラハニ) は、ある日ISの襲撃を受ける
男たちは皆殺し、女性たちは性的奴隷として売買され、少年たちはIS戦闘員として育成される
数か月後、バハールは人質にとられた息子を取り戻すため、女性武装部隊“太陽の女たち”を結成、最前線でISと戦う日々を送っていた
戦地で取材を続ける片眼の戦場記者マチルド(エマニュエル・ベルコ)は、そんな女性達の取材を続ける
強く美しい女性の姿を見るのが好きな人は必見!
そうでなくても、多くの人に見て欲しい映画
絶望的な状況に打ちのめされた女性達が、再び立ち上がり戦う姿が描かれます
その過酷さに押しつぶされそうな気持ちになりますが、鑑賞後は思いの外、前向きな気持ちになれる作品です
2018年のノーベル平和賞はコンゴで性暴力被害者の治療に当たるデニ・ムクウェゲ医師と、ISによる虐殺と性奴隷から逃れたナディア・ムラドさんの受賞でした
共に、世界における紛争下の性暴力や女性の人権の尊重について訴えている二人です
私が戦時下における女性への性暴力を初めて意識したのは、1900年代初頭のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でした
初めて国際法廷で裁かれ明らかになったのは、「民族浄化」の名の下、セルビア人兵士に行われた集団レイプです。
その時は、もちろん衝撃を受けたのですが。。。
やはり現在進行形で起こっている問題は、もっともっと注目されるべきでしょう
そう言いつつも、どこか他人事として捉えている自分がいる、というのが正直なところですが。
だからこそ、女性達の凜とした美しさに見ほれてしまうとも言えるのかも
「人は希望や夢を見たいもの。悲惨な現実からは目を逸らそうとする」
劇中でそんな言葉をジャーナリストが語りますが、自分の日常とかけ離れた恐ろしい世界とは距離を置きたい、そんな潜在意識が働いているのかもしれません
しかし、、、、
それでもいいと思うのです
要は思考することをやめてしまわないことが重要
アンナ・ハーレントの言葉にも「私が望むのは、考えることで人間が強くなることです」と
ゴルシフテ・ファラハニ目当て(やっぱり綺麗!)でも、なんでも良いと思うのです
この問題について考え始める人が、少しずつ増えていくきっかけとしても重要な映画だと思います
にしても邦題、センスのかけらもない(笑)
ちなみに、ノーベル平和賞受賞者ナディア・ムラドさんのドキュメンタリー映画は、3月にテアトル梅田で上映されるようです
テアトル梅田にて鑑賞