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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「愛さえあれば」 〜スサンネ・ビアのロマンティック・コメディ〜

映画 あ行

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公式サイト:http://www.aisaeareba.jp/ 音が出ます!

監督:スサンネ・ビア
脚本:アナス・トマス・イェンセン
(2012年 デンマーク 112分
原題:DEN SKALDEDE FRISOR(英題:Love is all you need)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
家族の幸せを第一に生きてきた中年女性イーダ(トリーヌ・ディルホム)。
乳がんの治療もひと区切りつき、娘の結婚式を目前に控え、
明るい未来が見え始めたそのとき、夫ライフ(キム・ボドゥニア)の浮気が発覚。
一方、イギリス人の会社経営者フィリップ(ピアース・ブロスナン)は、
愛する妻を事故で失った悲しみから何年たっても立ち直れず、仕事ひと筋に打ち込んできた。
(公式サイトより転記させていただきました)

何かとシリアスで見ていると心がヒリヒリするような、
そんなスサンネ・ビアのこれまでの作品とは、趣が異なります。

監督自身「シリアスなテーマを扱いながらも軽妙な映画を作りたかった」とあるように
癌、配偶者の死や裏切りといった重大な問題を抱えた登場人物達が、
希望を見いだすストーリーです。
舞台が、デンマークではなく南イタリア・ソレントという事で
さらに開放感と明るさが増しています。

主人公は、同監督の前作品「未来を生きる君たちへ」や、
先日見たばかりの「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」にも
出演していた、トリーヌ・ディルホムさん。
彼女の持つ生命力みたいなものが、作品の大きな魅力になっていました。
いかにも北欧系のお顔だちで、ABBAのアグネッタさんにもちょっと似ている感じです。

相手役はピアース・ブロスナンでしたが、ちょっと軽い感じ。
この人、アイルランド出身の方ですが、どことなくアメリカ人っぽい。
私にとっては、人間的な深みが表に出てこないというか、伝わりにくい俳優さんなのです。
個人的には、リーアム・ニーソンみたいな俳優さんだと良かったかもなんて思ったりして。
結局は好みの問題なのかなー。

思いきりロマンティックな場所という意味で、ソレントは正解ですね。
あのレモン畑だったら、多少キツイ肉体労働でも働いてみたい気がするから不思議です。

同じく目の保養という意味では、登場する衣装の数々も素敵です。
“レモン”というのがこの映画の一つのキーワードになっていますが、
ラスト近く、ブロンドのイーダが身につけたレモン色のドレスが印象的でした。
また、北欧らしいポップなプリントのドレスや、フォーマルなドレスなど、
どの衣装も素晴らしく、それを着る人物を引き立てています。

主人公が魅力的な人物だと、その映画は見ていて気持ちが良いのですよ。
イーダは思いやりと明るさに満ちた、優しい母親のイメージそのままです。
彼女と子供(特に息子との関係性は素敵)との絆を見ているとわかります。
一人でカフェにいたフィリップに対しての言葉が象徴的です。
「一人でいたい人なんていないわ」

TOHOシネマズ 梅田 にて鑑賞。