ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「マリリン 7日間の恋」 〜M.モンローの魅力を再認識〜

MARILYN01

公式サイト:http://marilyn-7days-love.jp/

監督:サイモン・カーティス
製作:デヴィッド・パーフィット
脚本:エイドリアン・ホッジス
撮影:ベン・スミスハード
美術:ドナル・ウッズ
衣装:ジル・テイラー
原作:コリン・クラーク
(2011年 イギリス/アメリカ 100分)
原題:MY WEEK WITH MARILYN

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
名優ローレンス・オリヴィエ(ケネス・ブラナー)が監督と主演を務める『王子と踊子』の撮影で、
ハリウッドからロンドンへと渡ったマリリン・モンロー(ミシェル・ウィリアムズ)。
スタッフから大歓迎を受ける彼女だったが、初の海外撮影に対する重圧などから現場に遅刻するように。
ローレンスたちに冷たくされて困惑するマリリンに、第3助監督のコリン(エディ・レッドメイン)は
第三者からの視点でアドバイスを送る。それを機に、二人は心を許し合う仲になるが……。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

『王子と踊り子』の第3助監督だったコリン・クラークによる、2冊の回顧録
“The Prince. The Showgirl and Me”と“My Week With Marilyn”を
元に製作された映画。

20世紀にスポットライトを浴びた実在の女性がモデル、
しかも物語の舞台はイギリスという映画が2本、奇しくも同時期に上映される事になりました。
メリル・ストリープがマーガレット・サッチャーを演じる『鉄の女の涙』と、本作品です。

主演女優も主人公となる女性も、本作品の方が私の好み。
そしてあの『王子と踊り子』(この映画自体は私にはさほど面白くないけど)の
撮影秘話が見られるかもという期待もあり、足を運びました。

いつまでも心に残るスターというのは、やはりそれだけの理由があるんですよね。
マリリン・モンローもその一人。
「午前十時の映画祭」で鑑賞した「ショウほど素敵な商売はない」では、
「目が釘付けになってしまう」と感想を残していましたが、
この映画の中でも同じようなセリフを言ってる人物がいましたっけ。

そんなモンローを演じるミシェルは、すごく役作りに努力したんだろうなぁと感じさせます。
顔や雰囲気だけでいうと、スカーレット・ヨハンソンなんかの方が近いかなぁと思っていたのですが…
いやいや!さすがミシェル・ウィリアムズです。たとえ顔は似てなくても(笑)、
ダンスや仕草、表情なんかで、時々ハッとするほど、モンローを思わせる場面がありました。

要するに見た目だけじゃなく、モンローが内包していた複雑さみたいなものが上手く表現されて
いたように感じたからです。例えばハッとするほどイノセントな瞬間とか、無意識に媚を含んだ表情とか。
全く演技にならない不安定さをさらけ出した翌日には、一瞬で見るものの心をつかんでしまう、
そんな姿をカメラの前で披露することができるモンローという人のスター性が、
実感として伝わってきたのが面白かったですね。

映画の中でモンローにつきっきりだった演技指導者ポーラ・ストラスバーグとは、
あの「アクターズ・スタジオ・インタビュー」でお馴染みの俳優養成所、
アクターズ・スタジオのコーチだったんですね。
ちなみにポーラの夫リー・ストラスバーグはアクターズ・スタジオの芸術監督です。

このポーラと、メソッド・アクティング(メソッド演技法)を苦々しく思うローレンス・オリヴィエを
ケネス・ブラナーが上手く演じています。喋り方とか似せてるなぁと思うのですが、
サー・ローレンス・オリヴィエと比べてしまうと、どうしても少しコモノっぽく見えてしまいます。(笑)

何より、この映画のもう一人の主役コリンを演じるエディ・レッドメインが初々しくて良い!です。
TVドラマ『大聖堂』(NHK・BShiで過去に放送)のジャック役はそばかす顔の少年という感じでしたが、
こんな好青年役もドンピシャリという感じ。

実生活でも彼は、この映画にも登場する名門・イートン校でウィリアム王子と同級生だったそうです。
いやぁ、育ちのよさってやっぱりなんかにじみ出るというか、役にぴったりでしたね。
次の出演作、イギリス製作のミュージカル映画『レ・ミゼラブル』(ヒュー・ジャックマン主演)も
今年公開されるようなので、こちらも楽しみ♪

ミシェル・ウィリアムズ以外は全員イギリス系の俳優陣で固めているのが、好印象。
ボディ・ガード役には『名探偵ポアロ』のジャップ警部フィリップ・ジャクソンが。
ハリー・ポッターのハーマイオニー(エマ・ワトソン)も出てます。

ミシェル・ウィリアムズは、今年のアカデミー賞受賞式で着ていた
ルイ・ヴィトンのドレス姿が、キュート!でした。
ウエストに付けているリボンのブローチがきいてる。ベリーショートのヘヤスタイルも似合ってます。
レッドカーペットのインタビューでは、故ヒース・レジャーとの間にできた愛娘についても言及していました。
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TOHOシネマズなんばにて鑑賞。


マリリン 7日間の恋 [DVD]

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