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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

未来の食卓

監督・プロデューサー:ジャン=ポール・ジョー
プロデューサー:ベアトリス・カムラ・ジョー
音楽:ガブリエル・ヤレド
(2008年 フランス)

【ストーリー】
2006年、農業の盛んな南フランスのバルジャック村では、
村議会で学校給食を全部オーガニック化することを決定する。
大自然に囲まれたこの地では、土や水の汚染により小児ガンや神経症などの病人の増加が
深刻な状態だった。
大人たちは自ら食を選べない子どもたちのためにも、なるべく危険の少ない、
作り手や買い手の顔が見える食べ物を口にさせたいと願っていた。
2008年にフランスで公開され、思わぬ大ヒットを記録した食にまつわるドキュメンタリー。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

「ハチが消えたら人類は4年後に滅亡する」(アルバート・アインシュタイン

20代の頃から“ポラン広場”の宅配で有機野菜を購入したり、手作り化粧水を使ったりと
実はちょっとしたオーガニックおたくでした。
が、この先子供を産む事はなさそうやなぁと予想がつく年代にさしかかった頃から、
その事自体あまり意味がないように思えてしまったんですよね。
それでも野菜は原則国産物、添加物はなるべく入っていない食品を買うようにはしているんですが。

この映画を見て気が付いたのは、自分と家族だけの為にオーガニックを指示するのはエゴやったなぁと。
未来を担う子供達、そして地球の為にも私自身ができる事があるのに、それを放棄してたのかもしれません。

作品の中では、恐ろしいデータがこれでもか!と出てくるんですが
考えてみると環境ホルモンの影響で、人間の生殖能力が著しく衰えている等の警告は
かなり以前から言われていましたよね(精子の数はこの50年で50%減少らしい)。
化学肥料や農薬を使う農業は、水をはじめとした環境の汚染につながり、
健康被害が科学的に実証されているというのは周知の事実ですが、
特に健康被害が著しいのはそういう工業的農業に携わっている人達だというのを
目の当たりにしたおもいがします。

日本でも、農協が農薬や化学肥料を半ば強制的に農家に売りつけているといった話を
田舎の親戚の方に聞いた事がありますが、いろんなしがらみを断ち切る事が必要なんやろなぁ。

映画を見て思った、今後私たちが出来る事。大きく二つあげられると思います。
1つ目は、この問題を解決するための政治的な対策をとるという事。
2つ目は、私たち消費者が意識し、オーガニックの農家から直接生産物を買い
彼等の収入が安定するようサポートする事と、肉の消費量を減らし植物性蛋白質を
とるよう心がける事。

特に2番目は意識すれば解決する問題だと思うのですが、ネックになっているのは
オーガニックの製品は価格が高いという事ですよね。
その問題については、作品の中で以下のようなことが語られていました。

「今までのように常に冷蔵庫の中を満杯にせずとも、食べ過ぎず量を減らす」
確かに、一食一食を大切に、本物の味を良く噛んで味わう生活をすれば、
肥満や糖尿病も減るだろうと思われます。もちろん、意識の改革は必要ですが。

そして、私が以前から感じていた疑問が解決されました。
2007年5月3日、国連食料農業機関の報告書によると
「世界の全耕地を有機農法で耕作すれば、全人類を養える」

なんで?!と思うかもしれませんが、長くなるのでその理由が知りたい方は
ぜひこのドキュメンタリーをご覧ください。

舞台となるバルジャック村はとても美しい所です。村民の意識が、給食のオーガニック化をさかいに
段々と変わっていく様子も微笑ましい。ここが安全で美しい場所になるのもそう遠い将来ではなさそうです。

WOWOWで放送したものを録画鑑賞。