ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

記録映画 いのちの作法 ー沢内「生命行政」を継ぐ者たちー

監督:小池征人
(2007年 日本)

【内容】
昭和30年代に、日本初の老人医療費無料化や乳児死亡率ゼロを達成したことで名高い
岩手県旧沢内村(現西和賀町)。豪雪・貧困・多病多死という三重苦に苦しんでいた村は、
「住民の生命を守るために、私の生命をかけよう!」と宣言した当時の深沢晟雄村長に、
村民が呼応して人間の生命を守る地域づくりに取り組んだ結果、
日本一の保健の村になりました。
そして、いのちを大切にするという「生命尊重の理念」は、
今も西和賀町民の心に深く刻まれています。
(チラシより転記させていただきました)

公式ホームページ

墨画のようであり、それ以上に美しい風景に圧倒される。
そこに住む人達の熱い気持ちにも、圧倒されましたが。。。。

この場所には、故人深沢晟雄村長の「いのちに格差はない」という理念が
今もいきづいていて、日常の生活から実験的な試みまでが
そこに暮らす人達の連帯によって成り立っています。

そんな人達の活動の中で個人的に気になるのは、
被虐待により施設に入らざるを得ない子供達に関するものでした。
身体または知的障害者や高齢者ももちろん社会が守るべき存在ですが、
子供時代に受ける色々な傷は取り返しのつかない事になる可能性が高く、
子供という存在は絶対に大人が慈しみ育てる義務のある存在だと思うからです。
そんな子供達が自然の中で笑い目を輝かせる様子には、つい感傷的になってしまいます。

ここの人達のはなしことばがまた、いいんですねー。
優しいトーンで自然と笑顔を誘います。
最近、電車の中など公共の場所で殺伐とした話し方をする人にハッとさせられる時があり
見れば、綺麗にお化粧した若い女性だったりして、悲しくなりますねー。
もちろん、私も気を付けたいです、ハイ。

ずっと都会で育ち生活してきた私は、田舎の人間関係とは詮索されて
わずらわしいというイメージを勝手にいだいてます。けれど、
結局人間は一人では絶対に生きて行けない動物ですもんね。
印象的だったのは「ここにお嫁に来たけれどここがイヤでした。でも、
ここの事だけ考える様にしたら…」と言っていた女性の言葉。
要するに自分の取り組み方、考え方次第なんだなぁと感じました。
自分が他者とのつながりの中で生かされているという事を実感する機会が多い生活って、
人間らしい生活と言えるかもしれません。
(※若くて元気でイケイケ(!)な時はピンとこないものですが。( ̄▽ ̄;A )

ここの人達から感じる事、学ぶ事はたくさんあります。

第七藝術劇場にて鑑賞。