ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

地上5センチの恋心

監督: エリック・=エマニュエル・シュミット
(2006年 フランス/ベルギー)

【物語のはじまり】
10年前に夫を亡くしたオデット(カトリーヌ・フロ)は、
女手一つで息子(ファブリス・ミュルジア)と娘(ニナ・ドレック)を育ててきた。
昼間は百貨店勤務、夜は羽飾りの内職で忙しい彼女の唯一の楽しみは
大ファンの作家バルタザール(アルベール・デュポンテル)の小説を読むこと。
ある日、彼女はあこがれの作家のサイン会に出かけるが……。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

ここのところフランス人女優でコメディエンヌ的要素を持つ人と言えば、
まっ先に思い浮かぶのがカトリーヌ・フロ。
(近々上映される「譜めくりの女」 (2006)ではまた違ったイメージを見せてくれそうですが。)
そんなフロが演じる主人公がすごくキュートなんですが、それがフロ自身のもつ雰囲気と重なり、
より一層魅力的に感じられるんです。
対照的にバルタザールは大人になりきれないダメダネなオヤジなんですよねー。
そんな彼もなにか憎み切れない可愛げがあったりしていい味付けに。

この映画には、踊子の羽根や安物の人形達等印象的なアイテムが出てきます。
普通に考えると貧乏くさいこれらの品物がオデットの魔法にかけられて
なんだかふんわりとした可愛い印象に変わるのが不思議。キッチンとの間仕切りに
かかってるプラスチックっぽいのれん(?)のちょっと安っぽいのもいい感じです。
「イエスさん」という不思議な人物の存在が気になっていましたが、
あーこう繋がってくるかぁと後半なって納得。

「チキータ・マダム」等、ジョセフィン・ベイカーの曲たちが日常の風景を
楽しく盛り上げてくれて、ウキウキしてしまいます。
(オデットの元気の源はバルタザールの本よりもこっちでは?!)
日々の生活の中に小さい幸せをみつける努力をしたいなぁ、と感じさせてくれる作品。

梅田シネ・リーブルにて鑑賞。