ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

この道は母へとつづく

この道は母へとつづく (ランダムハウス講談社 ロ 2-1)この道は母へとつづく (ランダムハウス講談社 ロ 2-1)
(2007/10/02)
アンドレイ ロマーノフ

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監督 アンドレイ・クラフチューク
(2005年 ロシア)

原題:ITALIANETZ/THE ITALIAN

【物語のはじまり】
ロシアの田舎のとある孤児院。6歳のワーニャ(コーリャ・スピリドノフ)は、
裕福なイタリア人夫婦に引き取られることになる。
しかし、ある日一人の女性が孤児院を訪れる。
彼女は先に養子に貰われたいった仲間の実の母親だった。

もしもお涙ちょうだい的な映画やったらちょっとイヤかもと思いつつ、
実話がベースという事で観る事にしたのですが。。。思った以上にあっさりといい感じ!
淡々と物語は進んでいき、極端にいい人も悪い人も出て来ない、
そしてロシアにおける社会問題(現実はどうなのかは私には判りませんが)を
浮き彫りにした様な作品です。

引き取り手がなくそのまま孤児院で成長したと思われる年長の少年達が
実質的に孤児院を仕切っているのですが、孤児達の世話をする少女には
心温まるものを感じ優しい気持ちになれました(たとえ創作としても)。

後半、母を探しに行く所からは少しマンガ的というか現実離れしていますが、
ちょっとした冒険にハラハラ・ドキドキします。
6歳のワーニャの作為的に感じられない可愛らしさが余計にハラハラさせるのだと思います。
酔っ払いのおじさんと親子のふりをしたり、機転を効かせたワーニャの振る舞いがチャーミング!

最後の彼の抵抗の仕方にはちょっと引いてしまいましたが(6才であれって有りかなぁ?)、
ラストにベタな盛り上げがなくて良かった。
その後のワーニャと友達がどうなったのかをさらっと物語る終わり方にも好感が持てました。

(梅田ガーデンシネマにて鑑賞)