公式サイト:http://gagarin.jp/
監督:パヴェル・パルホメンコ
製作・脚本:オレグ・カペネツ
脚本:アンドレイ・ドミトリエフ
撮影:アントン・アントノフ
音楽:ジョージ・カリス
美術監督:ミハイル・ガヴリーロフ
(2013 ロシア制作 113分)
英題 GAGARIN: FIRST IN SPACE
※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください
【ストーリー】
1961年4月12日、宇宙船ボストーク1号に乗ったユーリー・ガガーリンは宇宙へと一人飛び立った。
ボストーク1号は、地球の周回軌道に入ると大気圏外を一周し、有人宇宙飛行に成功。
108分の宇宙の旅を終えて帰還したガガーリンは、人類初の宇宙飛行士として瞬く間に英雄となった。
(公式サイトより転記させていただきました)
当たり前ですが、昨年末に見たsci-fiモノなどとは全く雰囲気が異なります。
フィクションではなく史実だからという事に加え、お国柄が出てるなぁという印象。
当時のソビエト連邦が作った映画(そんなわけないんですけど)かしらんと思うような気分、昔の映画を見ているような感覚に陥ります。
奇をてらわず誠実に作られているという感じですが、バックに流れる音楽が結構うるさい(笑)
余計な音が無い映画に慣れてる私には、結構古い感覚に思えてしまった。
宇宙好きな方には、きっと見応えある映画でしょう。
ソ連のクラスター式ロケットの打ち上げシーンには、私もワクワクしました。
スイッチを入れるために使う大きな鍵とか、レトロ感満載ですし。
世界で初めて有人宇宙飛行を成功させたガガーリンの生い立ちと、宇宙飛行士として選ばれるまでの経過、そして宇宙への旅立ちから地球に帰還するまでの108分が描かれています。
選ばれた大勢の宇宙飛行士候補の中から最終的にガガーリンは選ばれたのは、その優秀さと共に、彼が小柄だったという事なども要因していたようです。
この映画ではそういった大人の事情よりも、彼の物事を前向きにとらえる穏やかな人柄が要因だったように描かれています。
そんなガガーリンも、宇宙からの帰還後は精神的に弱り、不幸な事故により早くに亡くなっています。
栄光の瞬間を経験した人の、その後の人生が厳しいものになるというケースは何故かよく耳にするような気がします。
人の心は不思議ですね。
これまで見たどの映画よりも、宇宙船から見た地球の青さがリアルに思えました。
無重力状態で人間が生存できるかすらわかっていなかった、そんな時代に初めて有人飛行をする。人間て本当にチャレンジャーだなと思います。
米ソによる激しい宇宙開発競争の中、この偉業達成には国中が湧いたんでしょうね。
実際の記録映像も映し出されましたが、旧ソの絶頂期という感じでしょうか。
一党独裁国家独自の重苦しがあるものの、皆の心が一つにまとまり進歩することを目指していた時代へのノスタルジィを感じてしまいます。
こんな時代も良かったなぁなんて思ってしまう事が、ちょっと悲しいですね。
ガガーリンがボストークで有人宇宙飛行した年から遡る事3年半、スプートニク2号に乗って(乗らされて)地球軌道を初めて周回したのは、あのライカ犬ですよね。
ラッセ・ハルストレム監督の「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」(1985年)のセリフにも出てくる、決して地球に帰る事のないロケットに乗せられた犬に思いを馳せてしまう私です。
テアトル梅田 にて鑑賞。