監督・脚本 ロネ・シェルフィグ (2000年/デンマーク) |
【物語のはじまり】
コペンハーゲン近郊の教会に赴任してきた新米牧師の
アンドレアス(アンダース・W・ベアテルセン)は、妻を亡くしたばかり。
宿泊先のホテルのフロント係ヨーゲン(ピーター・ガンツェラー)から、
イタリア語講座教室に誘われる。
デンマーク映画はほぼ初めての体験(「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は
観た事あるけど、あれはアメリカが舞台でビョーク主演だったので)です。
デンマーク語って、スウェーデン語に似てる感じ(北欧やから当たり前か)
かと思うと、ちょっとドイツ語っぽかったりもする面白い響きですね。
登場人物はそれぞれに困難な状況に立たされれている。
しかもそのほとんどが“いい人”
牧師のアンドレアス役の俳優さんは最初、ドイツ映画「素粒子」の弟役
クリスティアン・ウルメンかと思いました。静かに微笑む顔が優しい。
アンドレアスがオリンピアの口元についたソースをぬぐってあげるシーンが
微笑ましくて、ちょっと羨ましくもあった。
オリンピアは理由があって失敗ばかりするけど、純真な心をもった可愛い女性。
ヨーゲンはとてつもなくお人好し。そんな彼も恋愛にはものすごく不器用。
敬虔なカソリック教徒という設定でかなり意外性のあるジュリアも見逃せない。
そんなこんなで、どうしても登場人物達の人生を応援したくなる映画です。
やがて周りの人の「死」がきっかけという皮肉な展開で
少しずつ幸せが見えてくるのですが、それもまたいいんじゃないかなぁと思わせる
淡々とした(とってつけた様じゃない)ストーリー展開。
エンディングもステキでした。それにしてもイタリアの陽光はまぶしい!
※エンドクレジットも可愛いい。