ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ツレがうつになりまして。」 〜ガンバレと言ってはいけない〜

tsurega

公式サイト:http:http://www.tsureutsu.jp/index.html

監督:佐々部清
原作:細川貂々
脚本:青島武
(2011年 日本)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
仕事をバリバリこなすサラリーマンの夫、通称ツレ(堺雅人)が、
ある日突然、心因性うつ病だと診断される。
結婚5年目でありながら、ツレの変化にまったく気付かなかった妻・晴子(宮崎あおい)は、
妻としての自分を反省する一方、うつ病の原因が会社にあったことからツレに退職を迫る。
会社を辞めたツレは徐々に体調を回復させていくが……(シネマトゥデイより転記させていただきました)

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)
(2009/04)
細川 貂々

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原作は ↑ 細川貂々さんのコミックエッセイ

パートナーがうつ病になるという事は辛くて大変な事なんだろうけど、
とても可愛くて優しくて、ちょっと笑える映画になっている。

宮崎あおいさんと堺雅人さんは、NHK大河「篤姫」でも夫婦役でしたね。
正直「篤姫」の宮崎さんは、所作とかも含めその時代の人に見えないというか
なんだかしっくりとこなかったけど(時代劇がなじむ女優さんて今では稀かも)、
今回ハルさんこと晴子役の宮崎あおいさんは、すごく可愛くてハマリ役に思えた。

優しく慰めるだけの妻じゃなく、時には感情を剥き出しにし、時にはツレを距離を置く、
その感じが普通の女の子っぽくて、すんなり感情移入できたし。

堺雅人さんは、見る前からの予想以上に
この情緒不安定で優しくて繊細な“ツレ”にはまっていた。
こんなツレなら、励ましてあげたくなるよ、うん。

ただ「ガンバレ」という言葉は、やはり禁句なんですよね。
ツレの兄貴は一番鬱陶しい見本みたいなもんで、空気が読めないとはこういう事かも。

ハルさんや彼女の母親の前向きな姿勢に共感できる。
そして、その気持ちを実際に口に出す事が大事かもしれないなぁと思う。
ツレのおかげで“人の心の不思議さ”について考えるきっかけが出来たと言う母の言葉には、
ハルさんも心強かったんじゃないかなぁ。

ハルさん自身の言葉にも印象深いものがたくさんあった。
「明けない夜はない。たとえ明けた空が曇りだとしても、夜よりはずっと明るいのだから」なんてね。
何より、病める時に一緒に乗り越えていこうとする夫婦の関係性が素敵だ。

細川貂々さんご夫妻は、ドローイングが苦手な私でも憧れてたあのスクール出身なんですね。
学校名が“カツ”・モードセミナーってなってたのには笑ったけど。 

梅田ブルク7にて鑑賞。