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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

“クロード・シャブロル未公開傑作選”

映画 さ行

“クロード・シャブロル未公開傑作選”

※ネタバレ含みます。

<最後の賭け>
出演:イザベル・ユペール、ミシェル・セロー、フランソワ・クリュゼ 他
(1997年 フランス)
原題:RIEN NE VA PLUS
【作品紹介】
1970年代後半以降、シャブロル作品のミューズとなったイザベル・ユペール
演技派ミシェル・セローの2人が詐欺師を演じる本作は、
監督お得意のクールな心理サスペンスがなりをひそめ軽妙さと
ブラック・ユーモアを前面に出した異色の犯罪スリラー。

<甘い罠>
出演:イザベル・ユペール、ミシェル・セロー、フランソワ・クリュゼ 他
(2000年 フランス)
原題:MERCI POUR LE CHOCOLAT
【作品紹介】
アメリカの作家シャーロット・アームストロングの「見えない蜘蛛の巣」を基に作られた本作は、
心の深奥にひそむ善と悪の葛藤をクールに描いた犯罪心理ドラマの傑作。

<悪の華>
出演:ナタリー・バイ、ブノワ・マジメル、ジュザンヌ・フロン 他
(2003年 フランス)
原題:LA FLEUR DU MAL
【ストーリー】
第2次大戦末期ドイツ占領下での悪夢の記憶を脈々と受け継ぐブルジョア一族。
一見優雅で平安に満ちた家族に1枚の中傷ビラが波紋を投げかける。

(以上、公式HPより転記させていただきました)

「引き裂かれた女」の面白さが肌に合ったので、十三まで3度足を運びました。

特に印象に残ったのは「甘い罠」と「悪の華」。
伏線のはり方がわかり易いというか、つくり方・演出が親切で、ちょうどいい感じなんです。

「悪の華」では、空港に迎えに来た父親の車に乗り込むブノワ・マジメルが、妹の名前(ミシェル)を
聴いた瞬間の反応(これ、ちょっ判り易すぎたかな)で、あっ二人はデキテルなと。
また冒頭、広い屋敷内をカメラが入っていく際にかかる曲が古い時代の音楽というのも、
過去のこの時代の犯罪が根底にある事を示唆しています。
他にも、この兄妹が鳥かごの中にとらわれているようなカメラアングルも面白いし。
カメラアングルと言えば、伯母の別荘がある海辺の景色も素晴らしかった。
木々の間から見える海って、魅力的ですね。

「甘い罠」では、結婚式のシーンで招待客によって、この夫婦の関係や息子の境遇等が
なにげなく説明されます。人間関係のしがらみが垣間見えるシークエンスです。
その後、幻想的で広大な海のシーンと思いきや船にはスイス国旗が。
そこは海ではなく、レマン湖でした。舞台はスイス・ローザンヌです。
イザベル・ユペール演じるミカが、やたら愛想が良い割りに目が笑っていない!
怪しすぎますよ、彼女。その仕草や表情から、脆弱さが伝わってくるような演技です。
繰り返し演奏されるリストの“葬送”は、彼女を埋葬する曲だったんですね。
ところで、最初に息子の部屋でココアをわざとこぼしたのは、何故でしょうか。
この行為をやめたい・誰かにみつかりたい、という潜在的な気持ちのあらわれなんでしょうか?

イザベル・ユペールは「最後の賭け」でも主役の女詐欺師を演じています。
コメディタッチの作品で、他2作品と比べると軽い印象でした。
あの二人は親子だったんでしょうか? そういえば、めずらしく(?)暗い終わり方じゃないんですよね。

まだまだ見ていないシャブロル作品が多いので、それらを楽しみたい!という気持ちは強くなったのですが、
日本においては自ら積極的に接点をつくらないと、この監督の作品は見る事ができませんね。
“紀ノ国屋レーベル”のDVD 『肉屋』 『不貞の女』『女鹿』 の3本組のレンタルが2,000円って、
安いのか高いのかよくわかりませんが、借りてみようかしらん。

十三 第七藝術劇場にて鑑賞。
クロード・シャブロル未公開傑作選”はこの後、神戸アートビレッジセンターにて上映されるようです。