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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「八日目の蝉」 〜質の高い日本映画との出逢いは嬉しい♪〜

映画 や行

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公式サイト:http://www.youkame.com/index.html音が出ます!

監督:成島出
原作:角田光代
脚本:奥寺佐渡
(2011年 日本)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
子どもを身ごもるも、相手が結婚していたために出産をあきらめるしかない希和子(永作博美)は、
ちょうど同じころに生まれた男の妻の赤ん坊を誘拐して逃亡する。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

2時間27分たっぷり見ごたえがあり、正統派映画として、とてもよく出来た作品だと思います。

冒頭、暗闇の中、語り手の顔だけにスポットライトが当てられる裁判のシーンは、
まるで舞台劇のような演出で、緊張感が。その後も飽きさせない展開が続きます。
「パーマネント野ばら」(2010年)も手がけた、奥寺佐渡子さんによる脚本の力が大きいかも。

永作博美さん、井上真央さん等出演者の演技に安定感があり、
安心して観ていられるのも良いですね。
小池栄子さんはちょっとオーバーアクト気味やけど、面白いし。
常に猫背気味でせかせかと歩く千草の様子から、不安を抱え生きている彼女の
心理が透けてる見える気がします。恵理菜にとって、彼女は力強い存在になりそう。
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また、写真館の主人役・田中泯さんの存在感もキラリと光っています。

ただし、余貴美子さん、市川実和子さんの大阪言葉はいただけない。
ここのところ、高峰秀子さんの追悼特集で昭和映画を見る機会が多かったのですが、
この時代の俳優さんは見事に地方の言葉を使いこなしてはるんですよね。
昔に比べ、方言指導が徹底していないのかな、今は。ちょっと残念です。

日本映画で時々見かける説明的なセリフ等はあまりなく、
物語の経過を映像と音楽だけで語るという手法も好感が持てました。
ジョン・メイヤーやビーチ・ハウスといった、アメリカの楽曲を使用しているのも新鮮やったし。

希和子(永作博美)が薫(恵理菜)を連れ去り逃亡する様子と、
成長した恵理菜が、かつて希和子と過ごした足跡をたどる様子とがパラレルに描かれ、
視覚的にも上手いつくり方やなぁと思います。

ロードムービー的要素も魅力的で、特に小豆島における映像は印象的です。
農村歌舞伎や、虫送り等の行事も面白いですね。段々畑に連なる灯りの列の美しいこと!
濃い緑の山に落ちる夕日の色と、ヒグラシの声。少しノスタルジックな気分にさせます。
ここでは映画「二十四の瞳」で使用された岬の分教場(二十四の瞳映画村)も登場します。

ラストは、やっぱり気持ちよく泣きました。
そうそう、坂道を自転車で下る時、希和子と恵理菜は同じポーズなんですね。

原作↓

八日目の蝉 (中公文庫)八日目の蝉 (中公文庫)
(2011/01/22)
角田 光代

商品詳細を見る

角田光代さんの本、実は一冊も読んだ事ないんですが、これを機に
まずは直木賞受賞作品の↓こちらから読んでみようかなと考えています。
対岸の彼女 (文春文庫)対岸の彼女 (文春文庫)
(2007/10)
角田 光代

商品詳細を見る

梅田ブルク7にて鑑賞。