ビカミング・ジェイン・オースティン (2009/02/26) ジョン・スペンス 商品詳細を見る |
↑2003年に発表されたこの本が原作なそうな。
監督:ジュリアン・ジャロルド
(2007年 イギリス)
英題:BECOMING JANE
【ストーリー】
1795年、イギリス。オースティン家の次女ジェイン(アン・ハサウェイ)は、
裕福で家柄のいい相手との結婚を望む両親に迫られ、
地元の名士レディ・グリシャム(マギー・スミス)の甥(おい)との結婚をしぶしぶ検討。
しかしそんな中、ジェインはロンドンで法律を学ぶ知的なアイルランド人青年
トム(ジェームズ・マカヴォイ)と出会う。
「礼節の境界線は激しく脅かされた」
上映1時間前に行ったんですが、前から2列目の席。レディスデイに加えて
オースティンものはやはり女性に人気がありそう。マカヴォイくんも出てるしね。
アン・ハサウェイ!いいんじゃないでしょうか。イギリス人であろうとなかろうと関係ない。
好奇心のかたまりのような大きな瞳がキラキラと輝いて、とても魅力的な
ジェイン・オースティンになっていました。
「アメリカ人のアニーがオースティンを演じることをどう思うかと何度も聞かれたけど、
スコットランド人の僕がアイルランド人のトムを演じるのと同じだと思っている。」
とジェームズ・マカヴォイ。
観に行く前にげんなりしたのは「秘められた恋」って邦題。ベタすぎてダサいですよね。
もうちょっとなんとかならなかったんでしょうかねぇ。(^-^;A
「ジェイン・オースティンの手紙」に出てきたトム・ルフロイに関する記述は確かに印象的でした。
ジェインが特定の男性について語っている!と、はっきりとは書いていないことまで
まさに行間を読む様に理解できないものか、何度も目を通したのを覚えています。
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ある期間のジェインの手紙は処分され全く世に出ていないようで
真実はもちろんわかりません。
おそらく、映画で描かれているほどのロマンスではなかったんだろうと
私は想像していたのですが、真実なんてどうでもいいかなとも思います。
高慢と偏見 上 ちくま文庫 お 42-1 (2003/08) ジェイン オースティン 商品詳細を見る |
こんな風に、自身のロマンスによって「高慢と偏見」が誕生したのだとしたら素敵ですね。
劇中で、当時の女流作家アン・ラドクリフを訪ねるシーンは印象的です。
自分の将来や生き方に不安を感じつつも先輩に教えを請うジェインと、
それにこたえるラドクリフ夫人。これまでの人生で色々なことがあったんだろうなと
感じさせるヘレン・マックロリーさんのさりげない演技が、なんだかジワーッとしみます。
イギリス製作の映画はやはり俳優陣が魅力的。
イアン・リチャードソン、ジュリー・ウォルターズ、ジェームズ・クロムウェル、
そしてジェインの姉カッサンドラ役のアンナ・マックスウェル・マーティンさんは
とてもしっとりとした魅力がありました。
またジョー・アンダーソンが演じた事によって、ジェインの兄ヘンリーが
私の想像以上に男前なキャラクターになっていたことも嬉しかった。
そして、数々の衣装の素敵なこと!映画「プライドと偏見」で田舎者のエリザベス達は
当時の最先端のドレスは着ていませんでしたが、今作のジェイン・オースティンは
ハイウエスト気味の比較的シンプルなドレスをちゃんと着ています。
普段着からナイトウエアまで、ほんと可愛いよー。
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観終わった後、少々物足りなさを感じたのですが。うーん、綺麗にまとまりすぎてたのかなぁ。
自分の頭の中にあるジェイン像とちょっとかけ離れてたのは、別物と割り切ってたので
あまり関係ないと思うんですけど。何かが足りない。。。。
この時代背景やオースティンが好きな人には、少なくとも観ている間はすごく楽しい
映画だと思います。個人的にはあまり余韻が残らない作品で、ちょっと残念でしたが。
それにしても、2007年の作品が2年も遅れて公開されたのは何故なんでしょうね。
数々の小気味いい作品を配給していたワイズポリシーが今年倒産していたという
事実を、最近知りました。
テアトル梅田にて鑑賞。