ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

エヴァの匂い

監督:ジョセフ・ロージー
(1962年 フランス)
原題:EVA

【ストーリー】
小説が映画化され、富と名声を手にした作家ティヴィアン・ジョーンズ(スタンリー・ベイカー)。
ヴェネツィアの映画祭に招待された彼は、
別荘に忍び込んでいたエヴァ(ジャンヌ・モロー)と出逢う。

「フランス映画の秘宝2/アキム・コレクション 大阪最終上映会」が
1/17(土)から始まりました〜。
上映権の期限切という事で、今のうちに気になる作品だけでも観ておこうかな、
と予定しております。
正直、アキム兄弟と言われても全く知らない。
何本かの作品はテレビで観てるんですけど、プロデューサー名なんて
普段意識しませんから。(^-^;A

ところでこの作品については、上映後に関西大学文学部准教授の
堀潤之さんという方のトークショーがあるという事で、これは!と思い
観に行きました。なもんで、ジャンヌ・モローが主演という事も観るまでは知らず。

ジャンヌ・モローと言えば「口角の下がった女」のイメージでしょうか。
ふてぶてしい悪女。「現金に手を出すな」(1954)からすでにギャングの情婦役、
死刑台のエレベーター」では愛人と夫殺し、「黒衣の花嫁」では連続殺人犯と
悪女役のオンパレードですが、
個人的には今回のエヴァ(イヴ)役が一番恐かった(法律的には悪くないんですけど)。
会話にもある様に、この世で一番嫌いなものは「男」なんじゃないかと思わせる何かを、
モロー演じるエヴァは発しています。その次に嫌いなものは、という問いに対する答えから
エヴァの正体がおぼろげながら見える気もします。

この映画、男の人が観たらちょっとイライラしませんか?
私だったら、ヴィルナ・リージ演じるフランチェスカの方に夢中になると思うんやけど。
善良な女の人が悲劇にみまわれるというパターンは映画ではよくありますが。
ところで、ティヴィアン役のスタンリー・ベイカーはちょっといただけなかったかな。
イギリスの炭坑町出身という感じはピッタリやったけど、
あまりにも洗練されてない感があって、フランチェスカはティヴィアンの
どこがよかったんやろ?!みたいな感想になってしまいましたよん。

やっぱり、この映画の魅力はj.モローに尽きるのかなぁ。
ビリー・ホリディの曲とレコード盤も、ものすごく印象的かつ効果的に使われています。
(ちなみにこの時、j.モローはまだ34歳。ちょっと老けてますね。)

エヴァの匂い ? オリジナル・サウンドトラックエヴァの匂い ? オリジナル・サウンドトラック
(2002/04/24)
ミシェル・ルグランサントラ

商品詳細を見る

また、いわゆるキレイな女優さんには無い、醜い老女の役をも堂々とやってのける存在感が
彼女の素晴らしいところじゃないでしょうか。

シネ・ヌーヴォにて鑑賞。