ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ある愛の風景

監督:スザンネ・ビア
(2004年 デンマーク)
原題:BRODRE/BROTHERS

【物語のはじまり】
美しい妻サラ(コニー・ニールセン)、可愛い2人の娘と幸せな家庭をもつ
軍人の兄ミカエル(ウルリッヒ・トムセン)は、アフガニスタンへ派兵される。
一方、刑務所帰りの弟ヤニック(ニコライ・リー・コス)は何かと父親と反目しあっていた。

「しあわせな孤独」「アフター・ウェディング」のスザンネ・ビア監督作品。
3作品の中では一番私好みで見ごたえありました。
重くて辛いけど希望を感じられ、繊細で味わい深い作品です。

戦場で極限状態に置かれ人格を破壊される様なストレスにさらされた人間の罪と、
それを受け止め許す事というところに、「フランドル」と通じるものを感じました。
フランドルとは違いこの作品はそれがテーマというよりも、家族間の愛や人間関係、
感情の移り変わりゆく様子等心のひだを丁寧に描いています。
目のアップや、違うロケーションの出来事を平行して見せる等、
スザンネ・ビア的(?)な演出の数々も好きですねー。
いわゆる完全な「ドグマ95」方式の映画ではないと思いますが、
その流れを汲んでいるのか、サラとヤニックがお互いの気持ちを悟るシーン等は
静寂も一つの演出効果を生んでいます。

いかにも北欧美人でクールなコニー・ニールセンがステキ!
そして、ニコライ・リー・コスはアクの強い(?)ルックスで存在感ありますぅ。(笑)
それにしても、2週も続けて同監督の作品を観られて幸せ。

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。