ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

奇人たちの晩餐会



監督・脚本: フランシス・ヴェベール
(1998年/フランス)

【物語のはじまり】
出版社の社長ブロシャン(ティエリー・レルミット)には、
“奇人たちを集めた晩餐会”という楽しみがあった。
それぞれが見つけてきたバカを晩餐会に招待し、
どのバカが一番かを競い合うという悪趣味な集まりだ。
今週彼が招待客として目を付けたのは、
税務署に勤めるピニョン(ジャック・ヴィルレ)という男だったが。。。。

昨日に引き続き、ヴェベール作品の紹介。
残念ながら2005年に亡くなった(合掌)ジャック・ヴィルレの
フォトコラージュのこのパッケージを見ただけで
にんまりしてしまいますぅ。

鼻につくタイプのプチブルジョア、ブロシャン(T.ルミットに
ピッタリ)が、バカにして笑ってやろうとしていたピニョンに
翻弄される様が可笑しい。
しかも、当のピニョンは大真面目なので、たちが悪い。

目を離せないくらい、次から次へと笑えるピニョンの行動。
特に面白かったのは、電話で映画権を獲得するあたり。
もーこんな展開、想像できませんよー。
J.ヴィルレの自慢げな表情も笑える〜。

ピニョン以外にも様々な人物の登場で、事態は複雑になっていくのですが、
ブロシャンの愛人(カトリーヌ・フロ!)や、妻の元恋人、
ピニョンの同僚の査察官等、個性的でおかしな人達が
話にふくらみをもたせている。
唯一、妻の元恋人はさわやかな印象で一服の清涼剤的役割な感じ。
ドタバタ喜劇風ですが、くどさはありません。

最後はちょっとほろりとさせるステキなシーンもありますが。。。。
ふふっ、ネタバレになるのでこのあたりでやめておきますか。

J.ヴィルレが主人公というのが、いかにも!という感じのコメディで、
個人的には存在感の薄い平凡な“ピニョン氏”が主人公の
「メルシィ!人生」の方が好みなんですけどね。