ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

街のあかり

監督 アキ・カウリスマキ
(2006年 フィンランド/ドイツ/フランス)
梅田ガーデンシネマにて鑑賞。

【物語のはじまり】
警備会社で働くコイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)は、
友人や恋人もいない孤独な生活を送っていた。そんな彼の前に
ミルヤ(マリア・ヤンヴェンヘルミ)という女性が現れるが。。。。

『浮き雲』『過去のない男』に続く、アキ・カウリスマキ監督の
「敗者三部作・最終章」という事ですが、個人的には楽しくありませんでした。
前2作品はすごく好きなのに。。。。

まず、主人公が好きになれない。いや、「白い花びら」のマルヤ位、
嫌いかもしれない。
「純粋でいい人」というのと「ものを考えない」というのは違うし、
「夢を持つ」と「現実逃避」もあきらかに違う。
かといって、徹底して仕事に真面目でもないし、平和主義でもない
(と私は思います)。
ま、その辺の徹底してない所が人間くさいですけど、あまり共感できない主人公でした。

『浮き雲』『過去のない男』の主人公達は知恵を働かせ、努力し、
能動的に人間関係を作ろうとしていた。
そんなひたむきさが共感できたし、観終わった後に幸せな気持ちになれたので、
この作品に関しては不満を感じました。
でも、なんか最後迄気になってしまうのも正直なところ。

ところで、ミルヤ役のマリア・ヤンヴェンヘルミは、面積の広い頬に
つりあがった目等、カティ・オウティネンと(外見)似てますね。
アキ・カウリスマキの好みなのかな?