監督 ニール・ジョーダン (2005年 アイルランド/イギリス) |
【物語のはじまり】
アイルランドの田舎町。生後まもなく教会の前に捨てられた
パトリック(キリアン・マーフィー)は、
リーアム神父(リーアム・ニーソン)の手で養子に出される。
やがて成長したパトリックは自らを「キトゥン」と名乗り、
生みの母(エヴァ・バーシッスル)を探す旅に出るが。。。
全く予備知識無しで、キラッキラのパッケージに惹かれて
DVD借りちゃいましたが、
どっひゃぁー、この写真のおかまちゃんは、『麦の穂をゆらす風』の
キリアン・マーフィだったんですねぇ。
いや、『麦の。。。』の時もほっそりした首からしてあまり男っぽいとは
言い難かったんですが、めっちゃシリアスな役だった彼が、
キトゥンになったら「シリアスなんてまっぴら!」(みたいなニュアンス)等の
セリフをIRA関係者に言ってのけるんですから、すごいギャップです。
(↑違う映画やから当たり前なんですけど)。
DVDのパッケージと同じく、作品もキャンディボックスみたいに綺麗で可愛い
色彩のつまったもの。ファンタジックで夢の世界の様なシーンもあって、
不思議な魅力がある。音楽も甘くて懐かいポップス。
いわゆる性同一性障害の主人公を、こんなに明るいタッチで描いたものは
初めて観る様な気がします。
キトゥンのファッションがすごくキュート! 特にスクールファッションには
目を見張るものがありました。そこからサイケなファッションに変化し、
やがてエレガントなファッションへと変貌をとげるのですが、
どんどんキリアン・マーフィが綺麗になっていきます
(ブルーの透きとおった瞳も美しい)。
盲目的に生き抜くバイタリティの様なものがキトゥンから感じられるので、
性同一性障害以外にも様々な問題を含みながら、決して重くなる事はなく
最後までさわやかに見られる作品です。