ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ボンボン

監督 カルロス・ソリン
(2004年/アルゼンチン)
OS名画座にて鑑賞。

【物語】
南米・パタゴニア。職を失い、娘夫婦の所に居候しているファン(ファン・ビジェガス)は、
ある日、人助けをしたお礼に大きな白い犬をもらう。

好きなタイプの映画です。
冒頭のシーンから、主人公のアップの表情を撮りまくり。
この一見クロード・チアリ似のおじさん、監督が素人をスカウトしたらしいんですが、
そのせいか抑え気味の演技がじんわりときます。

主人公の生活は苦しいんですが、なんか人としての品格を
失っていない感じがよいです。

あと、まぁ予測どおりですが、犬が登場してからガラッと映画の雰囲気が和んで。
笑いを誘うタイプの犬なんですね。
「ドゴ・アルヘンティーノ」という、アルゼンチン生まれの珍しい犬種らしいんですが、
愛玩犬にありがちな「きゃばいい!」って感じの可愛さではなく、
しれっとしたブサイクな所がなんとも可愛い。
助手席に座っている姿だけで、観客に笑いがおこっていました。

パタゴニアの乾いた空気と青い空を感じられる、スロウな映画です。

※ここからネタバレ含む&話が横にそれます。
現実的に考えると、中途半端な知識の素人によるブリード(繁殖)は
許せない気持ちです。
特に日本で見受けられる、その時に流行っているといわれる犬種をお金儲けの為に
安易に繁殖させる人や、それに失敗して犬を放置する人の事を聞くと、
とても腹立たしく思います。
この映画を観ながら、チラッとそんな事を考えてしまったのも事実。