ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

8月28日からの2週間、公開(大阪市内)の映画で気になるのは

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「ゆきゆきて、神軍」

やっと見られた、すごい映画。
天皇の戦争責任に迫る過激なアナーキストを追ったドキュメンタリー

昭和だからこそというか、今ならコンプライアンス的にこんな撮影無理でしょうね。
冒頭から、奥崎というアナーキーなおじさんにイライラさせられる。
病人の見舞いに訪れ「あなたの病気は天罰だ」の発言
また、警備の人たちに暴言はきまくりの態度
ただ、かつての同年兵の慰霊に訪れた際には違う顔をみせるこの人を、何故か憎めない。

しかし、やっぱり暴力はいけない。
「正義」の名の下、自分の考え・信念を人に押し付けるのも。
こういう極端な人は、戦争に突っ走った人たちとある意味同じかもしれない。
唯一、奥崎さんの良いところは、群れないところかなぁ。

上映後、原監督のトークを聞くことができて良かった。
元兵士たちを訪ねるのは監督のアイデアで、奥崎さんは気が進まないようだったという話
これが意外というか、映画に出たことで奥崎さんのその後の人生は変わってしまったのかもしれないなぁと思う。
最終的に彼のしたことは残念としか言いようがない。
その人となりを見ていてば、当然の結果のような気もするが。

それにしても、事実を問われた際に上官達が言葉を濁すその態度、過去にも他のドキュメンタリーで見た記憶がある。
自分は命令してないだの、自分の撃った玉は当たってないだのと、何かと苦しい言い訳をするのが人間なのかな。
戦争は人を狂わせ、そして自分の犯した罪と真正面から向き合うのは難しいんだなぁと改めて感じさせられる。

原監督の新作「れいわ一揆」も見たいんだけど、、、
上映時間、4時間以上なんだなぁ(笑)

 

今週末からと、来週末から
大阪市内で公開される映画の中から
気になる作品をピックアップします。

 


【8月28日・29日〜】


「シチリアーノ 裏切りの美学」
“Il traditore”
8/28(金)〜 シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ にて上映
1980年代、シチリアのマフィア抗争の仲裁に失敗しブラジルに逃れた大物トンマーゾ・ブシェッタ
逮捕された彼は何故、組織の情報を提供し捜査への協力を決意したのか。。。
うーん、これはなかなか濃くて残忍な匂いがしますよー。


「幸せへのまわり道」
“A BEAUTIFUL DAY IN THE NEIGHBORHOOD”
8/28(金)〜 シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ にて上映
「大物司会者と雑誌記者の家族の間で育まれた"数奇な友情"を紡ぐ」
トム・ハンクス主演作を映画館で見るのは久しぶり。
やさしく不思議な感じのトレーラーが印象的。


「ようこそ映画音響の世界へ」
“Making Waves: The Art of Cinematic Sound”
8/28(金)〜 シネマート心斎橋 にて上映
映画音響の世界とその歴史を紐解くドキュメンタリー
いいなぁ、こういう裏方的な仕事の世界には強く惹かれる。


「オフィシャル・シークレット」
“Official Secrets”
8/28(金)〜 大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば にて上映
イラク戦争の開戦直前、英国女性諜報職員による告発とその裁判という実話に基づいたサスペンス。
キーラ主演、2018年製作の映画がやっと公開です。


「大海原のソングライン」
8/29(土)〜 第七藝術劇場にて上映
(仮説の映画館でも配信中のようです)
東は太平洋のイースター島、西はインド洋のマダガスカルに至るまで、16の島国に残る伝統的なパフォーマンスを記録した前例のない音楽ドキュメンタリー


他にも

「霧の中の少女」
8/29(土)〜 シネ・ヌーヴォ にて上映

 

【9月4日・5日〜】


「mid90s ミッドナインティーズ」
“Mid90s”
9/4(金)〜 シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ にて上映
公式サイトがおしゃれ♪
プレイリストを見ると音楽にもこだわってそう。
男の子の成長物語?
ジョナ・ヒル監督・脚本の作品


「ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち」
“Rumble: The Indians Who Rocked the World”
9/4(金)〜 シネ・リーブル梅田 にて上映
トレーラーを見てがぜん興味がわいた。
これまで、ネイティブアメリカンの音楽やミュージシャンについて考えた事なかったけど。
アメリカ音楽史にまつわるドキュメンタリー


「真夏の夜のジャズ 4K」
“JAZZ ON A SUMMER’S DAY”
9/4(金)〜 シネ・リーブル梅田 にて上映
こちらも音楽ドキュメンタリー
日本公開から60年経ち、4K版として再上映されるよう。
この機会に見ておきたい。


「パヴァロッティ 太陽のテノール」
“Pavarotti”
9/4(金)〜 大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば にて上映
2007年に亡くなったオペラ歌手、ルチアーノ・パヴァロッティのドキュメンタリー
監督はロン・ハワード


「宇宙でいちばんあかるい屋根」
9/4(金)〜 梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、あべのアポロシネマ にて上映
「中学三年のつばめは、雑居ビルの屋上で星ばあと出会った」野中ともその人気小説の映画化
迷える少女の不思議な出会いと成長を描く


「マイルス・デイヴィス クールの誕生」
9/4(金)〜 第七藝術劇場にて上映
ジャズの帝王”と称される、天才トランペット奏者マイルス・デイヴィスのドキュメンタリー


「いただきます ここは、発酵の楽園」
9/5(土)〜 第七藝術劇場にて上映
微生物たちの「発酵の楽園」をめぐる、食にまつわるドキュメンタリー。
なんだか楽しそうなトレーラーに惹かれた。


他にも

「昭和下町喜劇の系譜」
9/5(土)〜 9/9(水)シネ・ヌーヴォにて上映
優れた日本映画の数々を、国立映画アーカイブ所蔵の美しい35ミリフィルムで上映する「優秀映画鑑賞会」
特別料金(当日券のみ)1本500円均一

 

今期間、偶然なのか音楽系ドキュメンタリーが多いですね。
どれを見るか迷うところ〜 全部見たいけど