ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

さよならテレビ 〜嘘つくドキュメンタリー〜

f:id:YURURI:20200108115752j:plain

安倍政権下の今、「権力の客観的な監視役」という役割を、ほとんどのマスコミは放棄している。

現政権をヨイショする新聞もだけど、テレビだけで情報を受け取っている人は、今の時代の怖ろしさに気が付いていないのかもしれない。
とうか、無意識に見たくないものを見ないようにしているのかも。

そんな中、少しだけ期待して見に言った本作


「作為的なノンフィクション」と自ら暴露するフィクションとでも言えばいいんでしょうか?!


見る側の期待に応え出てきましたよ! ジャーナリストとしてまともな志を持ってる記者が。

その澤村記者とは対照的に、報道の使命とか頭にあるのか?と疑いたくなるようなミーハーな派遣社員の渡邊記者。
実際仕事できない人だと思うけど、面白くする為に生贄にされた感がある。

もう一人の主役、福島アナに関してはさして興味がわかない(笑)

このように、スポットを当てられた人物のうち一人は露出の多いアナウンサーで他の二人が契約社員だったのは、いじっても大丈夫な人物を選んでる感じがした。

保身に走りがちな社員からは本音が出てこないから、面白くない事は想像できるけれど。


結局、一番印象に残っているのは澤村記者の「テレビの闇はもっと深いんじゃないですか?」という問い。

それに対し、監督(東海テレビのディレクター)とNHKエデュケーショナルのディレクターは「そんなものは無い」と、ネット上の記事で意気投合している。

本当にそう思ってるのだとしたら井の中の蛙だし、触れたくないのだとしたら、そういう生ぬるい立ち位置が見えて、やはり白けてしまう。

いろいろ考えさせらえるという点では面白いのかもしれないけど、ディレクターの見た目のチャラさも加味され(笑)、最後のネタバラシの方法も含めて、なんだかイジワルな感じがする作品だった。


ますますテレビの報道とは「さよなら」したい、そんな気持ちになることは間違いない。
テレビ、役にたつのは災害時くらいでしょ。

報道以外は、特にEテレとか結構好きな番組あるんだけどなー。


第七藝術劇場にて鑑賞