安倍政権下の今、「権力の客観的な監視役」という役割を、ほとんどのマスコミは放棄している。
現政権をヨイショする新聞もだけど、テレビだけで情報を受け取っている人は、今の時代の怖ろしさに気が付いていないのかもしれない。
とうか、無意識に見たくないものを見ないようにしているのかも。
そんな中、少しだけ期待して見に言った本作
「作為的なノンフィクション」と自ら暴露するフィクションとでも言えばいいんでしょうか?!
見る側の期待に応え出てきましたよ! ジャーナリストとしてまともな志を持ってる記者が。
その澤村記者とは対照的に、報道の使命とか頭にあるのか?と疑いたくなるようなミーハーな派遣社員の渡邊記者。
実際仕事できない人だと思うけど、面白くする為に生贄にされた感がある。
もう一人の主役、福島アナに関してはさして興味がわかない(笑)
このように、スポットを当てられた人物のうち一人は露出の多いアナウンサーで他の二人が契約社員だったのは、いじっても大丈夫な人物を選んでる感じがした。
保身に走りがちな社員からは本音が出てこないから、面白くない事は想像できるけれど。
結局、一番印象に残っているのは澤村記者の「テレビの闇はもっと深いんじゃないですか?」という問い。
それに対し、監督(東海テレビのディレクター)とNHKエデュケーショナルのディレクターは「そんなものは無い」と、ネット上の記事で意気投合している。
本当にそう思ってるのだとしたら井の中の蛙だし、触れたくないのだとしたら、そういう生ぬるい立ち位置が見えて、やはり白けてしまう。
いろいろ考えさせらえるという点では面白いのかもしれないけど、ディレクターの見た目のチャラさも加味され(笑)、最後のネタバラシの方法も含めて、なんだかイジワルな感じがする作品だった。
ますますテレビの報道とは「さよなら」したい、そんな気持ちになることは間違いない。
テレビ、役にたつのは災害時くらいでしょ。
報道以外は、特にEテレとか結構好きな番組あるんだけどなー。
第七藝術劇場にて鑑賞