ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ガーンジー島の読書会の秘密」〜ラブストーリーの王道〜

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公式サイト:http://dokushokai-movie.com/

監督:マイク・ニューウェル
脚本:ドン・ルース、ケヴィン・フッド、トーマス・ベズーチャ
原作:メアリー・アン・シェイファー、アニー・バロウズ
衣装デザイン:シャーロット・ウォルター
124分/2018年/フランス、イギリス
原題:THE GUERNSEY LITERARY AND POTATO PEEL PIE SOCIETY

※ネタバレを含みます

【イントロダクション】
1946年、ロンドンで暮らす作家のジュリエット(リリー・ジェームズ)は一冊の本をきっかけに、ガーンジー島の読書会のメンバーと手紙を交わすようになる。島がナチスの占領下にあった大戦中、読書会や本が人と人の心をつないだことに感銘を受けたジュリエットは、取材のため島を訪れる。

 

ミステリーの要素は少なめ、コメディで、戦争を省みる映画でもあり、やっぱりラブストーリー

1940年代のイギリス、本が題材の映画という点で「マイ・ブックショップ」と共通ですが、今作はもっと鑑賞後の幸福感があります。

自分自身に目覚めた女性が、選ばれた相手ではなく、自分が愛する相手を選ぶというフェミニズム的展開も◎

とはいえもどかしいほど、あからさまな愛情表現はしない。
あくまでも奥ゆかしく、欲望ダダ漏れじゃない古風な感じがいいのです。
アメリカ人との対比が極端だけど(笑)

 

本について語り合える、そんな関係性は素敵。
以前の本の持ち主と知り合うという、私には妄想&理想の世界が広がっていく。
ここでは、イエーツ、メアリー・シェリー、ヴァージニア・ウルフなどの名前が挙げられてました。
読書の楽しみ、またそれについて語り合う時間は宝物なのです。

 

ガーンジー島の景観が素晴らしく、私のように初めてこの島に注目する人も多いかもしれません。
ナチスから解放されるまで、この島をはじめとしたチャンネル諸島の人々には一方ならぬ苦労があったようですね。

戦争の傷跡に苦しむ人達が懸命に生きる姿は、歴史を繰り返してはいけないという決意を、見るものに思い出させます。
例の軽々しく「戦争」を口にして党を渡り歩いている日本の議員、腹立たしいわ…

話が脱線してしまいました。


読書会のメンバーも味ある人ばかりで、作品が楽しく心温まるものになっています。
特に、キャサリン・パーキンソン演じるアイソラが可愛い。
「ザ・コミットメンツ」(1991)のブロナー・ギャラガーが、いけすかない宿の女将役で、相変わらず鳩が豆鉄砲を食ったような表情(笑)
マシュー・グードも、脇役の時はなんか好感度高くて好きだわ

当時のファッションも、それを着こなすリリー・ジェームズも素敵。
SNSとかじゃなく手紙でのやりとりって、やっぱり格別のドキドキ感がある事を少し思い出しました。


大阪ステーションシティシネマ にて鑑賞