ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」〜開かれた図書館とは〜

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公式サイト:http://moviola.jp/nypl/


監督・製作・編集:フレデリック・ワイズマン
製作総指揮:カレン・コニーチェク
撮影:ジョン・デイビー
205分/2017年/アメリカ
原題:Ex Libris: The New York Public Library

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
荘厳なボザール様式建築によって観光名所としても名高い本館と、研究目的のために公開されている4つの研究図書館、そして地域に密着した88の分館を合わせた92の図書館のネットワークである「ニューヨーク公共図書館」のドキュメンタリー

 

頭がクリアな時に見るべき映画

205分は特別長いわけじゃないけど、ドーキンス博士のトークイベントに始まり幹部会議での言葉の応酬など、情報量が多くて結構頭が疲れる

けど、とても面白い
NYの人たちの置かれている環境や暮らしを、垣間見れた気がした
ドキュメンタリー好き、ワイズマンの作品好きなら、間違いなく見応えある作品だと思う

 

世の中には面倒な事は多いけれど、その面倒な事の一つ一つに対処していくことが必要だし、スタッフやボランティアの人達のアクレッシヴさには頭が下がる


結局人なんですよね、重要なのは
どう運用していくのかも考えずに箱物を作り続けていたバブル期の日本とは対極的
これだけ地域と深く関わっていく図書館なのか!と圧倒された
教育機関の役割も担っていて、教養のセイフティーネットのような存在と言えるかも

トランプ就任後、漠然と抱いていたアメリカに対する失望感が少し薄れたというか、民主主義の可能性をちょっと感じられた気がする

『コレラの時代の愛』の読書会、いいな〜。参加したい
夜に見に行ったのと疲れていたので、パティ・スミスが登場したあたりで少し意識が遠のいてしまったが残念

日本の図書館もこういう積極的に地域と関わっていくタイプの場所なら、もっと頻繁に訪れるかもしれないなぁと、超羨ましい
けど、これって図書館に限らず、公共施設が情報を自ら作って発信するにはどうしたら良いのかという問題かも
日本では、職員だけでなく市民側の意識も変える必要があるんじゃないかと思ったりする

ちなみに、今日図書館で借りた本はこちら

THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―

THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―

 

何やかんや、日頃から図書館にはお世話になってます

 

テアトル梅田にて鑑賞