ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「マダム・マロリーと魔法のスパイス」 〜スパイスは効いてないけど〜

f:id:YURURI:20141106182816j:plain

公式サイト:http://www.disney.co.jp/movie/spice.html

監督:ラッセ・ハルストレム
脚本:スティーヴン・ナイト
原作:リチャード・C.モレイス(集英社文庫)
製作:スティーブン・スピルバーグ
   オプラ・ウィンフリー、ジュリエット・ブレイク
製作総指揮:キャロライン・ヒューイット、
   カーラ・ガーディニ、ジェフ・スコール、
   ジョナサン・キング
撮影:リヌス・サンドグレン F.S.F.
プロダクションデザイナー:デヴィッド・グロップマン
編集:アンドリュー・モンドシェイン A.C.E.
音楽:A.R.ラフマーン
(2014年 アメリカ制作 122分)
原題:THE HUNDRED-FOOT JOURNEY

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
南フランスでミシュラン1つ星フレンチ・レストランを
経営する、マダム・マロリー(ヘレン・ミレン)。
彼女は夫を亡くして以来、レストランでの最高のサービスと
美食の追及に人生のすべてを捧げていた。
ある日、そんなマロリーの店の真向かいに、
新天地を求めてこの地にたどり着いたインド人一家が
インド料理店を開業する。
(公式サイトより転記させていただきました)

異文化融合。料理だけじゃなくて映画のタッチも

ヘレン・ミレン演じるマダムと、
インド人俳優オム・プリ演じる豪快パパ、
この二人のキャラクターが魅力的です。

パパはちょっとした独裁者とも言えるんですが、
こう!と決めたら突き進む破天荒っぷりも痛快で、
リーダーとしては、なんだか付いて
いきたくなるような頼もしさがあるんですよ。

マダムといえば、向かいにできた目障りな
インド料理店を目の敵にしていましたが。。。
人の道に反した事は許さない! そして優れた才能には、
惜しみない賞賛を与えるという姿勢が素敵です。

最初は敵意むき出しだったこの二人が、
段々と仲良くなるのはお約束ですが(笑)

若き天才料理人ハッサン(マニッシュ・ダヤル)と
マルグリット(シャルロット・ルボン)の
カップルも初々しくて良いけれど、
やっぱり熟年カップルの存在感にはかなわないですね。

f:id:YURURI:20141106182815j:plain

まるでモネの絵のような美しい景観 ♪

フランスにおける移民問題は実際深刻なんだと思いますが、
映画の中では、フランス料理とインドでよく使われる
スパイスを組み合わせる事で、新しい料理が創造され
結果、良い方向に物事が動いていくのです。

この映画、恋人たちの背景に流れる音楽とか、
大団円を迎える雰囲気が、なんとなく
インド映画っぽいものを感じさせます。
ピリッとした部分はあまり感じませんでしたが、
見ていて楽しい作品です。

異なった文化を認め合い、より良いものを生み出して行く
そんなプラスの方向に皆が進めばよいのに。。。
という見ている側の気持ちを代弁してくれるような
映画だから、見ていて気持ちが良いのかもしれません。

パリのレストランに移った後、
分子ガストロノミーに目覚めたハッサンが
ふとしたきっかけで美味しい料理の基本に気付く、
そんなシーンがあってちょっとホッとさせます。

当然ですが、見ているとお腹が空く作品です。
映画の中には登場しませんでしたが、
炭水化物が大好物の私は、猛烈に
じゃがいものサモサが食べたくなりました。

シネ・リーブル梅田にて鑑賞