公式サイト:http://www.foxmovies.jp/gbh/
※音声が出ますのでご注意ください
ウェス・アンダーソン(監督/脚本/発案/製作)
ヒューゴ・ギネス(発案)
スコット・ルーディン(製作)
スティーヴン・レイルズ(製作)
ジェレミー・ドーソン(製作)
モーリー・クーパー(製作総指揮)
ロバート・イェーマン A.S.C.(撮影監督)
アダム・ストックハウゼン(プロダクションデザイナー)
バーニー・ピリング(編集)
ランドール・ポスター(音楽スーパーバイザー)
アレクサンドル・デスプラ(音楽)
ミレーナ・カノネロ(衣装デザイン)
(2013年 イギリス/ドイツ制作 100分)
原題:THE GRAND BUDAPEST HOTEL
※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください
【ストーリー】
格式高いグランド・ブダペスト・ホテルで、夢のひと時をもてなす
“伝説のコンシェルジュ”が、世界一豊かな伯爵夫人の死と、
ルネサンスの絵画をめぐる連続殺人事件の謎に挑む!
(公式サイトより転記させていただきました)
楽しいなぁ。
一度では消化しきれない楽しさ。何度もみたくなる。
「グランド・ホテル」“Grand Hotel”(1932年)を
連想させるタイトルから、群像劇なのかと思いきや
そうではなく、ドタバタコメディでした。
これまでレイフ・ファインズってあまり好きに
なれない俳優さんだったのに、あれれ?
なかなか良いじゃありませんか。シリアスな役だと
鬱陶しい印象なのに(笑)、こいういう役の方がイイ!
主人公グスタヴは、グランド・ブダペスト・ホテルの
コンシェルジュ。上流階級の顧客をもてなす事に
かけては超一流。それにはマダム達の夜のお相手も
含まれているわけで、軽薄さとしたたかさが感じらる
このキャラクターが魅力的です。
レイフ・ファインズのお上品な英語とエレガントさが
このキャラの胡散臭さに拍車をかけていて
ちょとクドかったけど、おもしろかった。
前作「ムーンライズ・キングダム」では、その色彩は
自然を連想させるナチュラルなイメージでしたが、
今回は、人が造り出した世界というか人工的な
モノを感じさせる独特な色合いで、これもまた
楽しさの一つでした。可愛いさに溢れてましたしね〜
小道具の一つ一つにまで神経が行き渡ってる感じがします。
セットや道具類を変えたのはもちろん、時代によって
3パターンの画面アスペクト比(縦横比)を使用したという
こだわりようです。
1930年代のホテル 1960年代のホテル
公式サイトには、監督がウィーン出身のユダヤ系作家
シュテファン・ツヴァイクの作品から本作のアイデアを
得たとありましたので、さっそく図書館で借りてみました。
反ユダヤ主義の風が吹くオーストリアを逃れたツヴァイクは、
イギリス〜アメリカ〜ブラジルへ渡り、
1942年に自らの命を絶ってしまいます。
ある程度広い視野でモノを見ることができている知識層の
人達が、この困難な時代に絶望的な気持ちになったで
あろうという事は、現代を生きる私達にも想像できます。
映画のタイトルに“ブダペスト”とありますが、舞台は
ハンガリーではなく、ズブロッカ共和国という架空の国です。
主人公グスタヴの最後は、ヨーロッパの一つの時代の終焉を
告げる一つの象徴なのですね。
ロケ地はドイツのゲルリッツとありますが、ここは
ポーランドとチェコに隣接している地域らしく、
旧東ドイツだからなのか、古びた街の雰囲気が
残っていて、時代不詳な感じです。
そして、言うまでもないのですが素晴しい俳優達が、
隅々にまで行き渡って(表現が変ですが本当にそんな感じ)
登場してくれるのも、この映画の数多い楽しさの一つです。
あまりにも適材適所な配役に笑う〜!
レア・セドゥが出てたのも嬉しかったし
そして、マダムDとグスタヴのやりとりも可笑しい(笑)
映画の楽しみ、笑い・スリル・神秘性・美しさ・可愛さ・
不気味さなどなど、結構ごちゃ混ぜな感じで入ってると
思います。個人的には笑いの要素が大きかったですけど。
TOHOシネマズなんば にて鑑賞