ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

シャーロック・ホームズの冒険「犯人は二人」

“SHERLOCK シャーロック”シリーズ3についての
予備知識を持ちたくない方は避けてください。

現在“SHERLOCK シャーロック”シリーズ3の第三話“His Last Vow”が撮影中です。
何日か前に、プロデューサーのsue vertueが、
Charles Augustus Magnussen(チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン)役を
Lars Mikkelsen(ラース・ミケルセン)が演じると明かしたばかりですが、
tumblr.にも撮影中のラース・ミケルセンの画像がチラホラ上がってきました。

lars Mikkelsen.jpg

ラース・ミケルセンは、マッツ・ミケルセンのお兄さんで、
マッツ主演の「誰がため」(2008年)にも出演されてたようです(私は未見ですが)。
画像を見る限り、非常に背の高い北欧らしい外見の方ですね。

“ミルヴァートン”という悪役、コナン・ドイルの原作では“恐喝者の王”とも呼ばれ、
ホームズに「他のどの殺人鬼もこの男以上には嫌悪感を覚えなかった」とまで言わせます。
ずる賢いけど俗っぽい人物という印象を私は持っています。
要するに、モリアーティのようなカリスマ性は無いのです。
そんな恐喝王がSHERLOCKでは、どんな風に描かれるのか興味が湧きます♪

シャーロック・ホームズの生還 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

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グラナダ版のドラマ「犯人は二人」でミルヴァートンを演じたのは、最近では
映画「ハリー・ポッター」シリーズでお見かけする、Robert Hardy(ロバート・ハーディ)

↑短編なのに、グラナダ版では長編扱いで制作されています。
その分、話の流れがじっくりと丁寧に描かれていて、原作にはないシーンもあり、
いつもとはちょっと違うホームズが見られる楽しい一本です。

情報を聞き出すために、ミルヴァートンのメイドといい仲になるホームズ。
彼女にキスを迫られた時のセリフには、笑ってしまいました。
「僕が婚約したと聞いたら驚くかい」なんてワトソンに言ったりして。

ホームズの推理が全く役に立たない、いわば彼の汚点とも言える事件なのですが、
映像化されたこのドラマは、なかなか面白いと思います。
そういえば「名探偵ポアロ」でも、ポアロが不法侵入する話があったような。
ポアロの変装が可愛かったんですが、何の話だったか思い出せないのがモヤモヤする。。。。

貴族が必死に面目を保とうとする様とか、ホームズが身分の高い女性をやけに
丁重に扱っていたりとか、現代を生きる日本人の私から見ると
このヴィクトリア朝の話には、少々違和感を感じる事もあります。
貴族の奥様だからって、不倫してその代償を払わない人生なんて調子良すぎるし、
相手がどんな悪人でも、殺人という行為は許されてはいけないと思うのです。
卑劣な行為を繰り返していたミルヴァートンでさえ、少々気の毒に思えます。

そういう点でも、現代版ホームズの“SHERLOCK シャーロック”では、
ミルヴァートンと彼をとりまく世界が、どんな風に現代にマッチするように
描かれるのか、非常に楽しみです。ワクワクします。そして、待ち遠しい!