ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

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「バーナビー警部」〜トム・バーナビー 引退の時〜

バーナビー警部 ~デヴィントン学院の闇~ [DVD]

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1997年からイギリスで放送され、今もシリーズ継続中の
「バーナビー警部」“Midsomer Murders”
AXNミステリーで放送されているドラマの中でも、超長寿番組ですが
トム・バーナビー警部が主役のシリーズは、
来月放送される第81話(シリーズ13)で終了するようです。
(イギリスでは2011年2月に放映済)


新シリーズ(シリーズ14、第82話〜)からは、引退したトムに代わり
従兄弟のジョン・バーナビー警部が主役となります。
前フリとして、第75話「ギヨームの剣」“Sword of Guillaume”にも
ジョンは登場していました。
Neil Dudgeon(ニール・ダジョン)が、ジョン・バーナビー役。

このドラマ、主人公が警察官なので“コージー・ミステリ”とは言えないでしょうが、
美しい田舎町ミッドサマー周辺で起きる連続殺人事件を、
どこかポワ〜ンとした雰囲気の中で解決するという
シリアスじゃないタッチが特徴です。

稚ブログの過去記事では「ちょっと薄味気味」なんて書いていますが
長年見ている間に癖になるというか、無くなるとすごく寂しい存在!と
今更ながら気がつきました。

特に、バーナビーの部下がジョーンズ巡査(後に巡査部長に昇格)に
変わってからは、この二人の掛け合いによって面白さが増しました。

それまでは、トロイ(Daniel Casey)やスコット(John Hopkins)という
野心はあるが今ひとつ使えない部下を、バーナビーがフォローする
パターンが多かったような気がします。トムは理想の上司でもあり、
夫としても誠実で優しくて、そこら辺がちょっと出来すぎというか、
人間関係に起伏がない感じがして、今ひとつ盛り上がりにかけていたかも。

ところが、ベン・ジョーンズ(Jason Hughes)と組み始めてからの
バーナビーは結構言いたい放題(とはいえ、実直で誠実なバーナビーは
他のミステリドラマの上司に比べれば思いやりにあふれています)で、
ジョーンズもバーナビーの無茶ぶりに、出来るだけ応えようとしつつ
ある程度はっきり言いたいことは言う、こういう関係性が良いですね。

英国ミステリドラマは、こういった捜査コンビの間に生じる
関係性(信頼や友情、愛情、憎しみも含めた)を見るのが楽しいんです。
ポアロとヘイスティングズまたはジャップ警部、
シャーロック(ホームズ)とジョン(ワトソン)以外にも、
主任警部モース、フロスト警部、ダルジール(ディエル)警視、
ヴェラ、リンリー警部、時空刑事1973、などなど
たとえシリアスだったり残酷だったりしても、そこにある人間関係により、
見る者を温かい気持ちにさせてくれるドラマが好きです。

バーナビーの歴代部下の中で私の一番のお気に入りは、もちろん
ジョーンズなんですが(多くの視聴者もたぶんそうなんだと思います。
2005年からずっと彼がキャスティングされているんだから)、
悲しい事にジョーンズも、ジョン・バーナビーとしばらくコンビを組んだ後、
シリーズ15/第95話"Schooled in Murder"を最後にこのドラマから去るようです。

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AXNミステリーでしばらく再放送は続くと思いますが、
トム役のジョン・ネトルズに加え、ジェイソン・ヒューズにも
この先、会えなくなると思うと寂しい気持ちです。
当然だけど、何でも終わるときがくるんですね(しみじみ)。

このドラマに関しては、私はキャロライン・グレアムの原作を
一冊も読んでないのですよね。
ドラマから入ったので、あの美しい映像も込みでバーナビー!
という気もしますが、この機会に一度読んでみたいと思います。

空白の一章―バーナビー主任警部

空白の一章―バーナビー主任警部

 

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