ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

“MICHAEL”を聴いて 

MICHAELMICHAEL
(2010/12/15)
マイケル・ジャクソン

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明日12月15日発売のアルバム“MICHAEL”が、案外早くHMVから届いたのでさっそく聴いてみました。

1. Hold My Hand (Duet with Akon)
おおっ! さすがにこの曲は完成度高いです。
リークされたものをこっそり聴く後ろめたさがないのも、もちろん嬉しいし
Michaelのパートが、今まで聴いてたバージョンより多くて良いわぁ。
イントロのオケの音も美しくて、やっぱりちゃんとアレンジされたものは違いますね。

2. Hollywood Tonight
“Will You Be There”のような荘厳なイントロから始まる曲。
全体にわたりボイスパーカッション炸裂してます! どことなく歌謡曲っぽいメロディライン。
あんまり好みではないんですが、イヤでも(笑)キャッチーなメロディが耳に残ります♪

3. Keep Your Head Up
「世界中の誰もが歌えて、聴いた人がみんな元気になって頑張れるような歌をやりたいんだ」
元気になりました! 素敵なメッセージソングです。ゴスペルっぽいコーラスもいい感じ。
ただ、ヴォーカル部分のビブラートが少々きき過ぎの様な気がします。ちょっと音酔いします。

4. (I Like) The Way You Love Me
アルバム「Invincible」のアウトテイクとして、アルティメット・コレクションにも
収録されている曲ですが、今回収録されたものはMichaelの声から始まり
ボイパ〜メロディへと続くアレンジで、以前のバージョンより素晴らしい出来だと思います。
分厚い音に仕上げられていて、メロディの美しさとMichaelの声がより際立ちます。
このアルバムの中で、今のところ一番好きな曲です。

5. Monster (Featuring 50 Cent)
おどろおどろしい始まりとビートが“Ghosts”を思い起こさせる曲。
結構変化に富んだ展開です。

6. Best Of Joy
綺麗な曲ですね。ライナーノーツには「2000年代中盤にレコーディングされたと推測」とあります。
愛にあふれたメロディといった印象で、Michaelの優しいヴォーカルを堪能できます。

7. Breaking News
初めてオフィシャル・サイトから聴いた時はガッカリしたけど、慣れました〜(笑)
古い感じがいい味になる曲も存在するけど、この曲のアレジンによって生じた古臭さは
正直好きになれない。

8. (I Can’t Make It) Another Day (Featuring Lenny Kravitz)
Lennyのアルバム「Baptism」収録の“Storm”と聴き比べてみると、違いがよくわかります。
“Storm”は、もっとシンプルでLennyらしいつぶやくようなヴォーカルが印象的。
Michaelヴァージョンはかなりドラマチックな感じに仕上げられています。
この曲はサビの部分よりもむしろ、歌い出しのミステリアスな感じが好き。
Michaelのヴォーカルアレンジで“Leave Me Alone”に似た部分も発見したりして、面白い。
“Dirty Diana”や“Give In To Me”等、Michaelの作ったロックテイストの強い曲は
あまり好きじゃないんですが、Lennyの作ったこの曲は良いですネ♪
情緒的なMichaelのメインヴァーカルに、ドライなLennyのコーラスが重なるという
初めての体験にワクワクします。

9. Behind The Mask
ほぉ〜、こうきましたかぁ。
イントロ、間奏とライヴの音声が挿入されたアレンジ。
ライブでMichaelが観客に投げかける“how you doing ?”の声が入ってたりして。
ヴォーカルの荒削り感をカヴァーする為なのでしょうか? 少し取ってつけた感じはします。
テクノっぽさはかなり消去されてますが、Michaelの曲の中ではやはり異色な感じです。
私はグレッグ・フィリンゲインズのヴァージョンの方が、元曲の良さが生きてて好きかなぁ。
「Thriller」制作時期位に収録されたものがベースにあると思いますが、Michaelの声が若いですね〜。
この曲に関しては、ライナーノーツを書いてはる西寺さんもかなり思い入れがあるみたいで、
3ページ半に渡って書いてはります。

10 .Much Too Soon
アコースティックギター、アコーディオン、ハーモニカ等の音が印象的で
どこかカーペンターズを髣髴とさせる美しいアコースティックナンバー。
私自身、カレン・カーペンターの声にMichaelの声を同じような心地よさを感じるので
余計そう思うのかもしれません。

今のこの時代にMichael自身やったら発表しないかもと思う曲も正直あります。それでも、
彼の作る曲、その声をもってすれば、未完成であってもこれだけの作品になるんやなぁと
感慨深いものがありました。クールでカッコいいタイプの曲が含まれてなかったのは残念ですが。

それにしても、どれだけの素材をMichaelは残しているのだろうかと改めて考えてしまいます。
今まで不完全なものとして耳にしていた曲が、Michaelの手によるものでなくても
一つの完成形として発表された事は、やっぱり嬉しいです。

もちろん今回のアルバムに含まれていない曲、これまでリークされた曲の中で断片を聴いただけで
素晴らしいと感じる曲が何曲もありますが、これらの行方もすごく気になります。
後々、いい形で世に出される事を希望します。